ヘッドスライディングはプロで生き抜く上の駆け引きの面アリ

NEWSポストセブン / 2013年9月13日 7時0分

 高校野球ではたびたび1塁ベースへのヘッドスライディングが見られるが、プロ野球ではほとんど見かけない。ところが、元阪神の亀山つとむ氏は、プロの試合でもたびたび1塁へ頭から飛び込み「平成のスライディング王」と呼ばれた。たびたび論争となる1塁は走り抜けた方が速いのか、スライディングした方が速いのかについて、亀山氏に聞いてみた。

 ちなみに、「世界の盗塁王」こと福本豊氏は「ボルトがヘッドスライディングするか?」とヘッスラ懐疑派である。

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 実は僕も現役中、福本豊さんには「ヘッスラはケガするからアカン」「走り抜けた方が速い」と言われ続けていました(笑い)。

 危険が伴うのは事実です。僕もリトルリーグの監督をした時は、危ないので子供たちには教えていません。速さの面でも、万人がうまくできるわけじゃないので、一般には走り抜けた方が速いとは思います。

 ただ僕はもちろん「自分は飛び込んだ方が速い」と信じていたからやっていました。それにヘッスラには、プロで生き抜く上で必要な駆け引きがあったのです。

 1つは審判へのアピール。プロの審判はプレーの流れでの判定が多く、守備がベースに触れていなくても、タイミングでアウトとすることがありました。でも頭から突っ込むと判定の時に悩むんです。

 だから僕は、絶対にセーフにしなければならない場面でしかやらなかった。乱発しなかった分、「亀山が飛び込んだのだから」と、その後のヘッスラがセーフになる。すると、ランナーとして残らないとゲームセットになるといった、ここ一番で生きてくる。だからヘッスラはいつも試合の終盤でした。

 もう1つはベンチへのアピール。僕が最初に一軍でヘッスラをしたのは入団5年目、生き残りをかけて臨んだ巨人戦でした。それがきっかけでレギュラーの座を掴んだ。その後は「ヘッスラの亀ちゃん」として定着、満員の甲子園のファンに背中を押されて、ヘッスラしていましたね。

 プロで生き残るために危険を承知でやらないといけないプレーもある。それがヘッスラなんです。

※週刊ポスト2013年9月20・27日号

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