堺雅人「リーガルハイ」 笑えればそれでいいのかと女性作家

NEWSポストセブン / 2013年10月12日 16時0分

 前クールでつかんだ視聴者をどれだけ引っ張れるか。秋ドラマの課題である。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析する。

 * * *
 いよいよ秋ドラマがスタート。前クールは「半沢直樹」「あまちゃん」「Woman」と、これまで試みられることの少なかった斬新な手法のドラマがヒットしたため、後に続く新ドラマはなかなか難しい戦いを強いられるのかもしれません。

「半沢直樹」「あまちゃん」「Woman」。内容も、テーマも、まったく違いました。でも、共通点がありました。

「半沢直樹」は、銀行の不正融資や人事の闇。「あまちゃん」は、東日本大震災。「Woman」は、シングルマザーの苦闘。一言でいえば、どれも「社会的なテーマを扱っていた」ということです。

 時にはおちゃらけたり、人物造形をディフォルメしずぎても、根本のところで社会的なテーマが際立ち、制作側もごまかさずにまじめに向きあった。だからこそ、ドラマがしっかりと「重心」を持ったのではないでしょうか。

 視聴者の方も、ドラマの新領域を発見し新しい魅力に開眼--前クールはそんなドラマ体験だったのではないでしょうか。

「まったくの『想定外』でした。びっくりしています」

 と、「半沢直樹」を演出した福澤克雄氏自身が、その社会的大反響に驚いたと語っていました。

「登場人物に女性が少なく、わかりやすく視聴率を取れるキャラクターもおらず、恋愛もないという『ないないづくし』……セオリーどおりなら、ドラマのメインターゲットと言われる女性は『見ない』ということになりますよね」(東洋経済オンライン2013..8.12)

 ドラマは単なる「娯楽」「作り話」のお楽しみ--そんな「逃げ」を打たなかったドラマが話題を集めた、ということかもしれません

「Woman」におけるシングルマザーの暮らしぶりの描写は、ニュース番組以上に、その過酷さをリアルに届けるツールになっていたのかもしれない。「半沢直樹」が終了した直後、奇しくもみずほ銀行の暴力団員への融資が明るみに出て、「ドラマ世界そのもの」と驚愕した人も多かった。

 もしかしたら、ドラマは「娯楽」という枠を超えて、ワイドショーやニュース、報道番組の分野にまで浸み出し、何かを伝える役割まで担い始めているのでは? あるいは人の生き方、秩序や正義や道徳観といった、「本質」を考える道具になり始めているのかも?

 だとすれば。

 秋のドラマも、社会的テーマときちんと向き合い、逃げずに迫力をもって描ききることができる作品が注目される、ということ。 そんな視点で、秋クールの新ドラマを眺めてみると……「ダンダリン 労働基準監督官」(日本テレビ系水曜午後10時)は、竹内結子と松阪桃李の主演で話題の作品。ブラック企業が問題視される社会の中、「労働基準監督官」というお堅い職業をお堅く貫く女性・段田凛が主人公。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング