寿命より10年短い健康寿命 寝たきり防止の栄養対策を指南

NEWSポストセブン / 2013年10月29日 16時0分

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小松菜とバナナのスムージー

 日本の70代の運動能力が、調査を開始してから過去最高を記録したと文部科学省が「2012年度体力・運動能力調査」の結果を発表して話題になっている。逆に30代と40代の体力は下り坂で、30年後に彼らが70代になったとき、今の70代ほど長い健康寿命(寝たきりにならず自立して生活できる期間)は保てないおそれがある。

 体力調査の結果の通り元気な老人が多く平均寿命が女性で86歳、男性で79歳と世界有数の長寿国・日本だが、健康寿命は現在でも男性で9.22歳、女性では12.77歳も寿命より短い(平成22年厚生労働省調べ)。体力が落ちている今の30代、40代が高齢者になったとき、この差はもっと広がってゆくかもしれない。この現状に、東京大学医学部客員研究員の山田恵子さんは警鐘を鳴らす。

「要介護認定を受ける人の5人に1人は、骨や関節などの“運動器”の障害が理由となっています。骨や関節、体を動かすための運動器の障害によって介護が必要になったり、寝たきりになる状態を、ロコモティブシンドローム、略して“ロコモ”といいます。2007年に、日本整形外科学会が、日本の未来を憂慮して提唱しました。ロコモ対策は、症状が出る前の40代から始めたいもの。具体的には、運動とバランスのよい食事を心掛けることです」

 ロコモの3大原因と呼ばれる病気には、骨粗鬆症、変形性膝関節症、脊柱管狭窄症があるが、この中で骨粗鬆症は、栄養の摂り方によって予防ができるという。

「ロコモ予防のために摂り入れたい栄養素としては、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどが挙げられます。いずれも骨づくりに必要な栄養素です」と話すのは、女子栄養大学教授の上西一弘さん。

「たんぱく質やカルシウムは、牛乳・乳製品、魚類、納豆などの大豆製品、緑黄色野菜などに豊富に含まれています。特に牛乳は、カルシウムの吸収率が良いのが特徴。私たちの研究では、牛乳のカルシウムの吸収率は約40%、小魚で33%、野菜は19%でした。ですから、1日に牛乳200ml、ヨーグルト約200g、スライスチーズ1枚を摂取するのが、ロコモ対策には理想的です。

 また、牛乳のたんぱく質の中から発見された『MBP(ミルク・ベーシック・プロテイン)』もおすすめです。これは、骨を壊す働きを抑えて、骨をつくる働きを促進させる注目の成分。MBPも牛乳に含まれているので、まずは、牛乳を意識して飲むように心がけるとよいでしょう」

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