就活「不採用の理由開示」すれば学生を苦しめるだけと専門家

NEWSポストセブン / 2013年11月14日 16時0分

 就職活動で不採用通知を受け取ったとき、「理由を知りたい」と思うのは無理もないことかもしれない。しかし不採用理由の通知は、本当に就活生を救うのだろうか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が考える。

 * * *
 「お祈りメール」という就活用語があります。不採用、不合格を伝えるメールのことです。この手のメールには「末筆ながら◯◯様の今後のご活躍をお祈り申し上げます」と書いてあるので、こう呼ばれるようになりました。最近では、「サイレントお祈り」なる就活用語もあります。不合格通知すらこない状態のことです。祈っているのかどうかすらわかりませんが。

 このお祈りメールですが、いつも話題になることがあります。それは、「なぜ、不採用理由を教えてくれないのか?」という問いです。今回はこの問題について考えてみましょう。

 特定非営利活動法人自殺対策センターライフリンクが10月に発表した「就職活動に関わる意識調査」が話題になりました。日本経済新聞を始めとする全国紙や、ネットニュースにも掲載されたので、ご覧になった方もいるかと思います。調査は今年の3月と7月に就活中の大学生、院生を対象に実施され、聞き取りなどで計243人から回答を得ています。

 この結果によると、「サイレントお祈り」を経験した学生は、7月の調査対象122人中、約7割強でした。なお、同じくこの122人中、就職活動生1人あたりのサイレントお祈りの経験回数は平均4.8回、就職活動生の5人に1人は10回以上のサイレントお祈りを経験していると報告されております。

 日本経済新聞の2013年10月19日付の報道では(以下、引用、抜粋)

 同法人は「企業は選考の際の理由など学生が納得いくようにしてほしい」と求めている。

「選考結果に関する問い合わせには一切お答えできません」と付記されている例も多く、「理由も知らされずに不採用を通告され、ショックを受けたという学生は多い」(ライフリンク)。

 ここでは、果たしてそれは可能なのか、やるべきなのか、学生を救うのかということについて、考えてみましょう。

 結論から言うならば、「サイレントお祈り」を無くすことは運用上ほぼ可能であるものの、「不採用理由の通知」は難易度が高いのです。また、これは、「サイレントお祈り」や「お祈りメール」以上に学生を傷つける可能性があると考えています。5つの論点からまとめますね。

1.サイレントお祈りはシステム導入で解消可能、だけど
 まず「サイレントお祈り」ではなく、ちゃんと「お祈りメール」を送るのは、応募者を管理するシステムを導入している企業なら簡単です。ただ、この手のシステムを導入していない企業では、少し人数が増えると連絡が大変ということも。選考が進んだ段階では、最終的に誰にするか検討するので連絡が遅くなり、そのまま放置ということもあります。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング