早慶上智に日大も 私大で相次ぐ「学費値上げ」は妥当なのか

NEWSポストセブン / 2014年1月12日 16時0分

 逆に値上げを据え置くのは、関東では東京理科大、法政大、立教大、専修大あたり。だが、これらの大学はこの数年間でそれなりの学費値上げを行ってきたので、別に良心的なわけでもない。関西の大学も据え置きが多いが、国公立が非常に強いエリアなので、もとが安めの関大以外の私大は他の出方をうかがっていると見たほうがいい。

 値上げの言い分は大学によっていろいろだが、ざっくりまとめてみると次の2つの理由による。1つは、老朽化が進んだ校舎の建て替えや、遠方からの学生を呼び込むための学生寮の増設費が必要だということだ。寮については納得できないでもないが、私大でそんなに建て替えを急ぐような校舎が多いかな、という気はする。オンボロ校舎のまま頑張っている方々の国公立大学を思えば、「私大はまだ見栄えで人寄せできるつもりか」と首をひねる。

 もう1つの値上げ理由は、少人数授業などきめ細やかな教育体制の充実のために必要だという件。これはたしかに、そうなのだろう。ここ10年ほどの間に、「1年次からゼミをやる」というような大学や学部がずいぶん増えた。大教室での老教授による棒読み講義が減り、グループディスカッションをやる授業や、文系でも実習的な色彩の強い授業が増えている。さんざん批判されてきた「マスプロ教育」は減少方向にある。

 学生個人によりきめ細やかな対応をする教育の実践には、当然、人件費が余計にかかる。大学側からしたら1単位あたりの利益率が減るので、学費そのものを上げざるをえないわけだ。

 しかし、である。そのような教育体制に力を入れ始めてしばらく経つが、成果のほどはいかがか。これはデータでなかなか示せない問題だが、大学生や若手社員を取材していて、「大学の勉強は?」と聞いても、「べつに関係ないですよ」という返答が圧倒的に多いのは昔も今も変わらない。むしろ、きめ細やかになったことで、出欠取りが厳しくなり、「意欲もないのに」授業に出る学生が増えている。これは多くの大学教員もぼやいている件だ。

 もちろん、こうした状況について、今はマスプロ教育から少人数教育への過渡期でいずれ内実のともなった大学教育が実現する、という見方もできよう。だが、話が戻るけれども、そのぶん学費値上げは必至なわけだ。

 文部科学省の平成23年度データによると、私立大文系の授業料の平均額は743,699円で、入学料などを含めた初年度納付金の平均額は1,155,405円だ。理系の場合は、授業料が1,040,472円、初年度納付金が1,497,747円。今回の値上げラッシュで、これらの数字はもっと跳ね上がる。

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