マグロ漁船 医師が帯同せず風邪引いたら「鎮痛剤のんどけ」

NEWSポストセブン / 2014年1月21日 7時0分

『マグロ船で学んだ人生哲学』(講談社刊)著者で、人材コンサルタント会社社長・齊藤正明さんは、2001年6月から43日間、鮮度保持剤の研究のため、遠洋マグロ漁船で暮らした。向かった先は赤道付近。海の男たちと過ごした濃密な日々を語ってもらった。

 * * *
 九州・大分から船に乗り、赤道付近の漁場まで約10日かけて行き、約20日間漁をして、日本に帰ってきました。とにかく船酔いがひどくて、吐かなかったのは3日間だけでした(笑い)。

 私は、漁をしませんでしたが、漁師の労働時間は朝6時から翌朝3時まで。実質労働時間は16~17時間ほどでした。とにかく過酷な労働というのが偽らざる実感です。

 マグロ三昧で、まだドクドク動いている心臓を食べさせてもらいました。あわびのようなコリコリとした食感と味でした。

 睡眠時間は、3時間ほどしかないんですが、寝室が狭いので熟睡できません。長さ180cm、幅60cmのベッドだから、漁師の中には、体を折り曲げて寝ている人もいました。

 船には、お医者さんがいません。一度、風邪を引いたら、2年前に期限が切れた鎮痛剤を「のんどけ!」と言われたことが…。病気やけがをしないことも立派な仕事のひとつなんです。

 乗船員たちは、たばこを吸う人が多かった。でも、軍手をした濡れ場での作業のため、簡単には吸うことができない。

 そこで、若手の漁師は、人数分のたばこを一気に口にくわえて火をつけて、先輩漁師の口に次々と入れていました。

【マグロ遠洋漁船の1日】
●午前6時~午前11時
起床後、すぐさま投縄開始。約100kmの長さの仕掛けを海に設置していく。

「作業の間、乗組員9人が交代で朝食兼昼食を食べます。おかずは、マヨネーズをたっぷりかけたマグロの刺身でした」(齊藤さん・以下「」内同)

●午前11時~正午
揚げ縄(マグロの引き揚げ)の準備。

「洗濯やシャワーもこの時間にします」

●正午~午後3時
船を止めて、マグロが仕掛けにかかるのを待つ。

「仮眠時間でもあります」

●午後3時~午前3時
揚げ縄作業。

「平均30分に1匹がかかるので、次々と船に揚げていきます。入れ食い時は、徹夜作業になりますし、かからない時は、何時間もかかりません。この間、夕食は交代でとります。冷凍食品のわらじ大のとんかつやマグロの胃袋が入ったカレーでした」

●午前3時~午前6時
就寝。

※女性セブン2014年1月30日号

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