男女雇用機会均等法批判NHK女性経営委員 発言の意図語る

NEWSポストセブン / 2014年2月4日 16時0分

 哺乳動物である人間にとってきわめて自然な「性別役割分担」のシステムを崩壊させ、出生率を低下させたのは、「男女雇用機会均等法」以来の政府の誤った政策が原因──産経新聞に載った“刺激的”なコラムは、その筆者が安倍首相のブレーンといわれるNHK経営委員の長谷川三千子氏(67)だったことも手伝って反響を呼び、朝日新聞も記事で大きく取り上げた。国家の存亡にかかわる少子化を憂う長谷川氏の“正論”は、“暴論”という言葉では片付けられない説得力を持つ。

 産経新聞の「正論」欄に哲学者で埼玉大学名誉教授でもある長谷川氏の「年頭にあたり『あたり前』を以て人口減を制す」が掲載されたのは1月6日。日本の少子化問題の解決策は、夫が働きに出て、妻が家を守る〈性別役割分担〉であり、男女雇用機会均等法以来の政府や行政は〈「個人の生き方」に干渉してきた〉ので、〈今こそその誤りを反省して方向を転ずべき〉と主張した。

 このコラムはツイッターで2000件以上の意見が書き込まれ、賛否両論がネットに飛び交った。朝日新聞は1月28日朝刊の「ニュースQ3」欄で「NHK経営委員・長谷川氏が男女共同参画を批判したの?」との見出しで取り上げた。

「朝日新聞の記事は、NHK経営委員である私が男女共同参画社会基本法や政府の姿勢を批判したという点に注目して取り上げましたけど、私のコラムの主題は少子化問題──このまま少子化を放置しておくと、日本は確実に消滅する、ということへの危機感なんです」(長谷川氏。以下「」内同)

 長谷川氏はコラムで、8年前から減少に転じ、毎年20万人減り続ける日本の人口について、

〈だからといって何が怖いのか、と首をかしげる人も多いでしょう。戦後急に増えすぎた人口がもとに戻るだけではないか。毎年20万人減れば百年後には1億そこそこの人口になってちょうどよいのではないか──そう考える方もあるでしょう。しかし、そういう単純計算にならないところが人口減少問題の怖さなのです〉

 と危機感を顕わにした。そして、こう長谷川氏は語る。

「人口問題の専門家、河合雅司さんの試算によると、約1.4という現在の出生率がこのまま続いてゆくならば、日本の人口は100年後には4000万人、2900年には1000人、3000年にはゼロになるといいます。これは、1.4の出生率が続けば、確実に到来する未来です。

 この流れを食い止められるチャンスは年々減ってゆく。というのも、半世紀後には出産を担う年齢層の女性の数が現在の半分以下になってしまいます。そうなると、出生率が倍になっても、生まれてくる子供の数は今と同じ。人口回復はとても困難になってしまうのです。今すぐにでも手を打たなければなりません。

 少子化問題の解決は、ある意味では簡単なので、若い男女の大多数が出産適齢期の20~30代前半で結婚、2~3人の子供を生み育てれば出生率は2以上になるはずです。しかし、なかなかそうはならない。若い女性のなすべきことは出産・子育てよりも、社会に出て仕事をすることだ、という考えが一般的になっているからです。

 たしかにこれまでも政府は、若い女性が出産・子育てと仕事を両立できるようにと、支援をしてきました。しかし、いくら支援されても、一人の人間の時間とエネルギーは限られていますから、出産・子育てはどうしても後回しということになってしまうのです」

※週刊ポスト2014年2月14日号

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