埼玉愛犬家殺人事件被告夫婦の娘 両親逮捕以後の人生を告白

NEWSポストセブン / 2014年2月6日 7時0分

 埼玉愛犬家連続殺人事件──1993年に起きたこの事件は、ブリーダー夫婦がペット詐欺を働き、それが明るみに出る前に次々と愛犬家を殺していたというもので、当時、その残虐な手口が日本中を震撼させた。主犯として逮捕された元夫婦の関根元被告と風間博子被告は2009年に死刑判決が確定し、現在も収監されている。夫婦の間にいた子供は、当時小学2年生。その彼女も、現在28才となった。“死刑囚の子”という十字架を背負って生きたこの20年の過酷な日々と、知られざる母娘の交流、そして断ち切ることができない親と子の絆を、初めて語った。

 関根と風間の間に生まれた長女・希美さん(仮名・28才)は、小学校3年生だった逮捕当時のことをこう語る。

「その時は逮捕ということがわからなくて、連れて行かれちゃうとだけ思ったんです。警察官は『お母さんは、すぐ帰ってくるから』と言うし、お母さんも『大丈夫だから』と言うけど、私だけ取り残されてしまうという事実がショックだった」

 突如、両親を失った希美さんは、祖母と一緒に、東京の叔母のワンルームマンションで暮らすことになる。

「引っ越すことを学校の友達に伝えようとしても、電話に出た親が『いないわよ』と言ったり、『ちょっとごめんね』って切られたり。友達が電話に出ても、後ろから『切りなさい』という声が聞こえてきたりしました」

 明るかった希美さんには友達も多かったが、別れを惜しむことさえできなかった。

「学校の編入では校長室に呼ばれました。担任に『やっていけますか』と聞かれて、それしか答えようがないんで、私は『はい』と言いました。学校が始まってからは、先生が私にだけ、妙に優しかったのを覚えています。その頃、同じクラスの男子のお母さんが旦那さんを殺してしまうという事件が起きて、学校中が騒然としていました。自分のことがバレたら、さらに大変なことになるんだろうなって、不安でしかたがありませんでした」

 周囲の大人たちは気遣って、事件のことを希美さんには話さなかった。しかし希美さんは、程なくして事件の詳細を目にすることになる。

「小学校高学年になって、祖母が隠していた週刊誌を見てしまったんです。母が歌を歌いながら、亡くなったかたを切り刻んでいたっていうのを読んでしまって…それを信じてしまい、ああ、何も知りたくない、何もなかったことにしてしまいたい、と祈り続けていました」

 その残虐さから大きく報じられていたこの事件。そのなかでも、3年の刑期を終えて出所した共犯者・山崎永幸の告白は、共犯者のものだけあって、迫真性があった。そこには、博子が「鼻歌交じり」に「主婦が刺身でも切っているみたい」に被害者の遺体を「スライス」したとあったのだ。

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