親の介護する息子の嫁は減少傾向 娘が世話するのが標準的に

NEWSポストセブン / 2014年2月27日 11時0分

 人生100年が当たり前の時代が目前、究極の選択で失敗しないことは重要だ。同居するなら、「娘」か「息子」か、もその一つ。

「将来病気をしたら不安だ。子供に面倒をみてもらうためにも同居もいいかもしれない。するとしたら、長男夫婦と長女夫婦、どちらと一緒に住めばいいのだろう」

 こう頭を悩ませているのは、65歳のAさん夫妻。周囲からは「息子のお嫁さんと気が合わなかったら最悪だから、娘にしなさいよ」といわれるが、どんな違いがあるのか。

 介護ジャーナリストの小山朝子氏は「様々なケースがあるので一概にはいえませんが」と前置きした上で、こう説明する。

「昔は“親は長男夫婦と同居するもの”という固定観念があったので、親世代にとっては世間的にも体裁が保てるという心理的なメリットがあります。さらに、嫁には負担をかけられるが可愛い娘にはかけたくないという気持ちもある。

 お金の面でも、金銭的な余裕があまりない場合、娘の婿には無心しにくいけれど、息子には比較的しやすい。“持ち家を息子夫婦に相続させるのだから、介護をしてもらうのは当然”という考えも働きやすいといえます」

 しかし、そうした親の心理は“嫁姑問題”という難題につながりやすい。とくに親に介護が必要になった場合、“他人”である嫁が下の世話まですることになり、その負担は極めて大きくなる。

「介護はそれまでの人生の延長線にあるものなので、ご飯の食べ方ひとつとっても、何から食べるとか、飲み物をいつ飲むかといった、生活習慣の些細な違いが問題になる。それが毎日積み重なって大きな軋轢が生まれ、息子夫婦の離婚に発展してしまうケースもあるほどです」(小山氏)

「認知症の人と家族の会」の統計によると、息子の嫁が介護するケースは減少傾向にあり、1982年の43%から2011年には9%にまで減っているという。いまや親の介護は“嫁ではなく娘がする”のがスタンダードのよう。娘のほうが親の生活習慣を知っているうえ、遠慮なくものがいえる間柄だけに、世話をしやすいのだろう。

 娘夫婦と同居する場合、“嫁姑のトラブル”がないのが最大のメリットといえそうだが、とはいえ心配がないわけではない。

「娘の夫に対してはもちろん気を遣わなければならないし、相手の親御さんが“なんでウチの息子が同居しなくちゃいけないんだ”と不満を持って、家同士の問題に発展するケースもあります」(小山氏)

 どちらと同居するかで悩む前に、「近くに住む」「二世帯住宅を考える」というように、適度な距離感を保つ方法を視野に入れてもいいのかもしれない。

※週刊ポスト2014年3月7日号

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