やたらと多くの診療科目を掲げている町の診療所 注意が必要か

NEWSポストセブン / 2014年3月9日 7時0分

 名医といえば手術の腕が良く、良い病院といえば施設が充実しているものと思われがちだが、それはあくまで大病院の話。私たちが日常的にかかる「町医者」では、その先入観がアダとなるケースも多いのだ。

 町医者の判断次第が、生死に関わる例は多い。

 Aさんは70歳の時、不整脈のために循環器内科医の町医者を受診した。診察の結果、ペースメーカーを入れることになり、その後も通院を続けたが、次第に息切れが激しくなり、少し動いただけで「ハーハー」と息をつくようになった。

 医師は「年齢とともに心臓も弱ってくる、年だから仕方ない」というだけで、詳しい検査もしないまま。だが、78歳のときに重い肺炎になり大病院に入院したところ、僧房弁閉鎖不全症(心臓病)だと分かった。町医者が患者を抱え込み、心臓手術の機会を逃していた。

「発見がもう少し早ければ手術もできたそうだが……かかりつけの先生はいい人でしたが、外科手術に消極的で、知識もなかったようだ。父は闘病の末、80歳で亡くなりました」(Aさんの息子)

 残念ながら、町医者選びを誤った実例である。このような悪夢を避けるために、こんな町医者は要注意という「最低の町医者」を見抜くための視点を紹介する。もちろん、ひとつでも当てはまるからといって即「最低の町医者」というわけではないが、見極める際の参考にはなる。

 ひとつめは、大病院でのキャリアが長すぎる町医者には要注意だ。

 長年大病院に勤務し、先端医療を経験し、症状の重い患者を数多く診てきた医師ほど病気や治療法に詳しく、信頼できる──実はその考え方は、「大病院信仰」の弊害だ。『実はすごい町医者の見つけ方』(講談社刊)の著者で、医療現場に詳しい長浜バイオ大学バイオサイエンス学部教授の永田宏氏(医療情報学)が解説する。

「大病院、特に大学病院に長く勤務した医師の場合、特定の病気については極めて高い専門性を身につけていますが、実はそれ以外については詳しくないことが多いのです。

 例えば、ひと口に整形外科医と言っても、大病院の場合、手の専門医、足の専門医、腰の専門医に分かれ、大学病院になるとさらに右手の専門医と左手の専門医がいます。あまりに細かく専門に分かれているので、手の専門医は足を骨折した患者を診たがらない、とベテランの整形外科医が嘆いていました」

 最低10年ほど大病院で働けば、ひと通りの経験は積めるという。大病院の医師としてのあまりに長い経験は、逆に開業医になった場合にはマイナスの要素になりかねないのだ。

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