メジャーが驚愕する田中将大の「6種の変化球」の凄さを解説

NEWSポストセブン / 2014年3月12日 7時0分

「あれはずるい!」──ヤンキースの同僚の左腕エース・サバシアをしてそういわしめた、田中将大の伝家の宝刀SFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)。

 田中は初登板した1日のオープン戦から、SFFを含む6種類の変化球を惜しげもなく披露した。翌日、アメリカの主要スポーツサイトは、軒並みトップ扱いで称賛したが、はたして田中の変化球の何がずるい、いやスゴイのか。スポーツジャーナリストの福島良一氏が解説する。

「メジャーでは、エース級でも速球に変化球1~2種類を投げる程度。6種類も投げられ、すべてが平均以上の投手はいない。その上、SFFやスライダーなどの決め球が複数ある」

 今季ブレーブスからFA移籍してきたメジャー屈指の捕手・マッキャンも、キャンプで田中のSFFを初めて受けた際、「まるでテーブルから落ちてくるようだ」と表現し、速球と同じように入ってきて急激に落ちる球を高く評価をした。

 ロイヤルズで日本人初の投手コーチを務めた高橋直樹氏は、別の視点から田中の変化球を評価する。

「メジャーではいまコントロールが求められる。その点、田中の変化球のコントロールはメジャーでも群を抜いている」

 田中の6種類の変化球は、カーブ、チェンジアップ、スライダー、SFF、カットボール、ツーシーム。それぞれどうスゴイのか、個別に解説してみよう。

●カーブ
 WBCで前田健太から学んだという100km台の大きく曲がるスローカーブ。メジャーではスローカーブを投げる投手は少なく、ストレートと40km以上の緩急があるスローカーブの効果はダルビッシュが実証済み。

●チェンジアップ
 田中は中指を立てるようにして投げるのが特徴。日本では同じく落ちるSFFを決め球にしていたのであまり投げなかった。チームメイト・黒田博樹のアドバイスでメジャーでも決め球として効果的と知り、投げ始めた。

●スライダー
 あの野村克也元監督が惚れて、稲尾和久(西鉄)に匹敵すると絶賛したのが田中のスライダー。高校時代は速球と高速の縦スライダーを武器にしており、いまでもストレートに次いで投球割合が高い。

●SFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)
 2010年に週刊ベースボールに載っていたファルケンボーグ(当時ソフトバンク)の握りを参考に投げた。以来フォークは封印し、いまや「伝家の宝刀」といわれるほどに。速球と同じフォーム、軌道で直前に落ちるため、打者には脅威。

●カットボール
 球が1回転で4本の縫い目が通過するように握るのがフォーシームと呼ばれるストレート。その握りから人差し指と中指の向きを少し変えると、投げた際の空気抵抗が変化し、ストレートとスライダーの中間の球となる。

●ツーシーム
 バックスピン量が減りストレートより球威は落ちるが、微妙な変化をすることで芯を外して打ち取る。メジャーでは横の動きが多いが、田中の場合、ストレートと同じ150km台の高速でシュート回転しながら沈むのが特徴。

※週刊ポスト2014年3月21日号

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