腸内からのアンチエイジング 加齢による腸疾患抑制にも期待

NEWSポストセブン / 2014年4月4日 16時0分

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パスツール研究所からテレビ電話で登壇のジェラール・エベール博士

 乳酸菌といえば、これまで「腸にすむ善玉菌を増やし、悪玉菌を減らして、腸内環境を整える」という働きに注目が集まっていた。しかし最新の研究では、ある乳酸菌に「腸がもつ“バリア機能”に働きかける」可能性があり、加齢に伴う腸の機能低下や疾患を抑制することがわかってきた。その乳酸菌が『LB81乳酸菌』。健康長寿の国として知られるブルガリアで昔からヨーグルトを作る際に使われてきた乳酸菌『ブルガリア菌2038株』と、ヨーグルトによく使用される『サーモフィラス菌1131株』を合わせたものだ。

 今回の研究結果は、「乳酸菌のアンチエイジング効果」をテーマとした、フランスのパスツール研究所と明治の共同研究を通して明らかになり、3月20日に開催されたセミナーで発表された。

 ヒトの腸には、500種類もの腸内細菌が棲んでおり、その数は1兆個にも上るといわれる。腸内細菌には、ヒトに有用な「善玉菌」と有害な「悪玉菌」、そのうち優勢な方の味方につく「日和見菌」がいて、腸内細菌叢(腸内フローラ)を形成している。パスツール研究所のジェラール・エベール博士は、こう語る。

「研究ではマウスを使って、老化が腸にどのような影響を与えるか調べました。その結果、第1に腸内細菌のバランスは加齢と共に変化し、悪玉菌が優勢になる傾向があること。第2に、加齢によって腸の“免疫システム”が正常に保たれなくなることもわかったのです」

 免疫システムの中で、明らかに変化したのが、T細胞とB細胞(いずれもリンパ球の一種)に関する値。加齢の影響でこれらが減少すると、腸内で炎症が起こりやすくなる。そこでエベール博士らのチームは、老化したマウス(24か月齢/人間でいうと80才前後)にLB81乳酸菌を使用したヨーグルトを与えたところ、T細胞、B細胞に対する老化の影響が抑えられ、腸の炎症そのものも抑えられたことがわかった。さらに、老化したマウスの腸内フローラが改善され、若いマウス(2か月齢/人間でいうと30才前後)並みのバランスに近づいていたという。

「LB81乳酸菌を摂取したマウスでは、腸の老化が改善されたのです。また、この乳酸菌を摂ることで、大腸炎など、加齢に伴う腸の疾患も抑制できると考えられます」(エベール博士)

 明治・食機能科学研究所では、浅見幸夫さんを中心とするチームが、どのようなメカニズムで腸の老化が抑制されるかを検証した。

「腸管は、『腸上皮細胞』が並んでいます。若く健康なうちは、この細胞から“抗菌ペプチド”という抗菌物質が正常に分泌されて“腸管バリア”を作り、細菌やウイルスなどの有害物質が腸に侵入しないよう、守っています。

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