日本発展に「ラーメンに胡椒入れるな!」的アーティスト必要

NEWSポストセブン / 2014年5月17日 7時0分

 政府が年間20万人の外国人労働者の受け入れを検討し始めた。だが、労働力を補う移民受け入れより、「人口が減っても豊かに暮らせる社会を目指すべき」と森永卓郎氏は提言する。

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 働く人が減れば効率化や機械化、外注化などが行なわれ、生産性は自動的に高まる。すでに機械化が相当進んでいる製造業でもまだ余地があると聞くし、今後は知的生産分野での機械化がますます進むだろう。

 それ以上に提案したいのは日本人の「1億総アーティスト化」による高付加価値のモノづくりで生き残る戦略だ。現代美術家・村上隆氏の1/1フィギュアは1体10億円以上で売れる。もちろん、国民全員が美術作家になれ、という意味ではない。新興国と争ってコモディティ(汎用品)を作るのではなく、フランスやイタリアのようにブランド価値を売りにする策である。

 かつてローマに出張した際、時間がない中で土産を買うため街のネクタイ店に入り、店主に「適当に10本包んで欲しい」と頼んだら、「こちらはどんな人がどんな場面で、どんな気持ちで着けるかを想像しながら、1本ずつ作品として売っているんだ」と激怒されたことがある。彼はアーティストである。

 例えば日本にも「うちのラーメンに胡椒をかけるな」などと言うラーメン屋の頑固オヤジがいる。万人受けはしないが、そういう“変”な人を熱烈に支持するファンもまたいる。すでにオタク文化は世界に浸透し、「かわいい」はグローバルで通用する言葉となった。そうした海外での日本ブーム=ジャポニズムは歴史上、何度も起きてきた。

「1億総アーティスト化」を実現できれば頭数を揃えるための移民政策は必要ない。むしろ肝心なのは日本人の出生率を引き上げるための少子化対策、教育への投資であることは間違いない。

※SAPIO2014年6月号

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