時任三郎の妻でもあるスピリチュアリストが初めて書いた書籍

NEWSポストセブン / 2014年5月20日 16時0分

【書評】『いいことしか起きない30のルール』時任千佳/マガジンハウス/1404円

【評者】伊藤和弘(フリーライター)

 著者は元女優で、俳優・時任三郎の妻。結婚と前後して自らの“能力”に目覚め、スピリチュアリストとして多くの有名人のカウンセリングを行ってきた。女優引退後、あまりメディアに露出しようとしない彼女にとって、本書は初めての単行本になる。

 人生、いいことばかりは起きないもの。むしろ、つらいことのほうが多いかもしれない。夢や希望は簡単にはかなわないし、努力が必ず報われるとも限らない。いたって真面目に暮らしているのに、病気や事故など災厄に見舞われることもある。そんな理不尽な世界で、どうすれば幸せに生きることができるのか? 著者は一人一人に語りかけるように、そのための“ルール”を並べていく。

 とりわけ強い印象を残すのは、「嫌いな相手の幸せを祈る」というものだろう。どうしても気が合わない人、できれば会いたくない人は、誰にだっている。仏教では「嫌いな人に会わなければいけない」ことを「怨憎会苦」と呼び、人間が抱える「八苦」のひとつに数えているくらいだ。嫌いな人には不幸になってほしいと思いこそすれ、逆に幸せを祈るなんて、なかなかできることではない。

 しかし著者は〈まずは形だけでいいので、その相手の幸せを願ってみてください〉といい、「憎しみを消す考え方」を説く。それはスピリチュアルな発想には違いないが、客観的に見ても説得力がある。こちらの敵意が伝わるから相手もかたくなになるわけで、〈自分の意識を変えることで結果的に相手が変わります〉ということも実際に起こり得るだろう。アドバイスを実践することで嫌いな人が減れば、今より幸せになれることは間違いない。

 他にも、胸を打ち、目からウロコが落ちる言葉はいくつも見つかる。

〈反省しないこと。まず、ありのままの自分を認めてあげてください〉

〈恋愛における失敗の多くは、パートナーを支配しようとすることから始まります〉

〈自分のために生きてください。それが結果として、人のためになります〉

 幸せとは、あくまで主観的なもの。年収や家族構成など、客観的な条件で決まるものではない。要は考え方だ。

“いいことしか起きない”ように生きるための知恵が、本書には詰まっている。

※女性セブン2014年5月29日号

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