筑後連続変死「被告の義弟、2008年以降見かけない」と元従業員

NEWSポストセブン / 2014年7月19日 7時1分

 6月、福岡・筑後市のリサイクルショップ経営者、中尾伸也被告(47)と妻の知佐被告(45)が2004年に従業員の日高崇さん(当時22)を殺害した容疑で逮捕された事件は、さらに別人の人骨が次々見つかっていることで連続変死事件の様相を呈している。

 事件現場となったリサイクルショップ「エース」の元従業員、田宮実さん(仮名)の証言によると、「エース」ではかつての田宮さんのような多重債務者を“強制労働”させる実態があったという。

 中尾夫妻は田宮さんら従業員の管理を徹底していた。従業員同士の会話を禁じるだけでなく、グループで互いを監視することを義務づけていた。誰かが逃げ出せば、残った人間には凄惨な暴力が待っていた。

「夜の閉店後が暴力の時間です。伸也や監視役のチンピラに殴られるか、伸也の命令で従業員同士で殴りあうこともあった。唯一仲良くなった山本(仮名)という従業員が私と外回りをしている時に、突然走って逃げた。私は中尾夫妻と見張りのチンピラたちに囲まれ1時間以上も殴る蹴るの暴行を受けました」(田宮さん)

 逃げた山本さんは田宮さんよりも先に「エース」で働いていた。山本さんは2004年6月に死亡した日高さんとも同時期に働いていたといい、田宮さんにこんな話をしていたという。

「その当時、山本は店の前のプレハブで寝泊まりしていた。ある日の夜、いつもは大人しい日高さんの怒鳴り声が店舗裏から聞こえ、それから男たちの怒鳴り声と日高さんの悲鳴が聞こえたという。外を見ると、ぐったりした日高さんを中尾夫妻と元暴力団員Xらが抱えて車に乗せていた。それ以来、日高さんは店に現われていないという話でした。恐ろしかった。それを聞いて、私も逃げなければと思った」

 起訴状によると、日高さんは中尾夫妻による暴行で衰弱していたのに食事も与えられず、自宅アパートの浴室に閉じ込められた状態で亡くなったとされる。

 田宮さんは、知佐被告の妹の夫である日村さん(仮名・現在行方不明)の姿を目撃したこともあったと証言する。

「彼は店にワンボックスカーでやって来てカネを受け取り、どこかに運ぶ役目だったようです。しかし2008年半ば以降は見かけなかった」

 田宮さんが逃亡を決行したのが2009年1月。新しく連れてこられた中年男性と一緒に外回りしていた時、カギのかかっていない放置自転車に飛び乗り、無我夢中でペダルを踏み込んだ──。

 田宮さんの証言からは、夫妻の築いた組織にはさらに立場が上のX氏(元暴力団員で伸也被告をアゴで使っていた)が関わっていた様子が窺える。所在を追ってX氏の実家を訪ねると母親はこう語った。

「息子は3月頃に“仕事があるけん”と他県に向かって以来、連絡がつかんとよ。中尾夫婦については名前も聞いたことないし知らん。そういえば7月の頭に警察が来て、“もしXさんが家に帰ってきたら連絡がほしい”といわれたと」

 多重債務者がタダ働きする店、出入りする暴力団関係者。事件の闇は深みを増すばかりである。

※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号

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