危険ドラッグ「規制や罰則強化だけでは撲滅できない」と識者

NEWSポストセブン / 2014年8月2日 16時0分

 ちなみに同調査によれば、他の違法薬物の生涯経験率は、有機溶剤(シンナーなど)が1.9%、大麻1.1%、覚せい剤0.5%、MDA0.3%などである。また、「脱法ドラッグ」乱用経験者の75%の者には大麻の乱用経験もあり、50%の者には有機溶剤乱用経験、33.3%の者には覚せい剤の乱用経験が認められた、とある。つまり、他のドラッグで薬物依存症になっている人々が、新たに出回り始めた「危険ドラッグ」にも手を出したケースが多いわけだ。

 こうした薬物依存症者の場合、逮捕して痛い目に合わせるだけでは、シャバに出てきてまた何らかの薬物に手を出してしまうだろう。「危険ドラッグ」撲滅を本当に目指すなら、規制や罰則の強化と並行して、薬物依存症者を医療や福祉で立ち直らせる体制づくりも欠かせない。

 そして、「危険ドラッグ」のニュースで大騒ぎとなっているこの夏からでも、次のような薬物依存症者向けの常識や情報を、各種メディアは流したらいいと思うのだ。

 例えば、違法薬物に手を出していることを知っても、医療従事者には警察への通報の義務はないから薬物依存症者は安心して病院にいくべきである。ただし、ふつうの心療内科や精神科では薬物依存症者を嫌がるところも少なくないので、初診は薬物依存症専門外来のある病院に行ったほうがいい。あるいは、DARCをはじめとした薬物依存症者の自助グループが各地にあるから、そこで相談してみるのもいい……などなど。

 「危険ドラッグ」に手を出すごく少数のバカでも排除せず、しょうがねぇなと包みこんでやり直させる社会のほうが私はしっくりくる。キレイ事でそう言うのではなく、そうしないと薬物問題は根本解決へ向かわず、ドラッグによる犯罪や事故は減らないからである。

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