高校球児の肩と肘 企業広告導入や観客席値上げで守れないか

NEWSポストセブン / 2014年8月24日 16時0分

 夏の甲子園が大詰めを迎えている。今年は開幕が台風のため2日順延され、大会序盤は涼しかったこともあって、選手の体調問題があまりクローズされていない。しかし投手の肩と肘に負担がかかることは変わらない。2人の投手のケースから、この問題を考えたい。(取材・文=フリーライター・神田憲行)

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「肘が良ければもっとやれたんじゃないかと思う。(今日投げた)あの程度のボールなら簡単に打たれる。自分のピッチングができなかったのが悔しいです」

 そう言い残して甲子園を去ったのは、盛岡大付の松本裕樹投手だ。松本投手は大会前に「最速150キロ右腕」「プロ注目」と騒がれたが、甲子園ではそのスピードを披露することはできなかった。初戦の東海大相模は変化球を丁寧に低めに集める「打たせて取る」投球で退けたものの、次戦の敦賀気比には3回途中までで10安打を浴び、自責点5でマウンドを降りなければならなかった。

 理由は岩手大会決勝の途中で感じた右肘の違和感だった。やがて痛みに変わり、トレーナーと相談して電気治療を施しながら、投球練習をしないほぼ「ノースロ」の状態で初戦のマウンドに上がった。岩手大会の決勝から中22日の登板だった。

「最初の試合は日程に余裕があったので、良い投球ができました。それで次の試合まで同じように(ケアを)していたんですが、間に合わなかった」(松本投手)

 敦賀気比戦は、

「朝起きたときから肘が痛く、試合でもボールをリリースするたびに痛かった。バッティングも肘の影響で引っ張る打球が打てませんでした。試合で投げないという選択肢もあったかもしれませんが、ここまで来て(マウンドを他の投手に)譲るという気持ちはなかったです」

 という。盛岡大付の関口清治監督は、

「本人が『どうしてもマウンドに立ちたい、前回と同じように投げられる』というので先発させました。それでも無理に止めることもできたのだが……彼の想いをかなえさせたかった、というのが正直なとこです」

 松本投手は今後も投手としてプレーをしていく意思だ。これまで高校・大学をあわせて150人以上の投手の身体のケアをしてきたアスレティックトレーナーの西村典子さんは、

「これからのことを考えると、早めに病院にて専門医の診察を受け、ドクターと連携できる専門家のサポートを受けることをお勧めします。キチンと肘の状態を把握し、適切な治療とコンディショニングを行うことで、投手として復活することは可能です。そういう選手は何人も見て来ました」

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