痛痒いアトピー性皮膚炎 汗をかいて洗い流すことで症状改善

NEWSポストセブン / 2014年9月28日 16時0分

 アトピー性皮膚炎患者にとって、暑さと汗は禁物だといわれてきた。ガイドラインでは、年齢によって症状の増悪因子は変わるが、すべての年代に共通して、汗は増悪因子とされている。

 汗をかくと、皮膚が痒くなったり、皮疹が悪化する患者が多く、汗をかかないようにという患者指導も行なわれている。また患者自身も、発汗しないよう気をつける人が多い。

 しかし汗には、大量にかいて体温を下げる体温調節機能や細菌の感染を防ぐ物質を出す防御機能、さらに皮膚の保湿に関わる因子も含まれている。近年、アトピー性皮膚炎と発汗の研究が進み、汗の効用が見直されている。

 大阪大学医学部附属病院皮膚科の室田浩之医師の話。

「最近の研究で、汗そのものが症状悪化の原因ではないことが明らかになっています。むしろ汗をかかないと、熱がこもり皮膚の温度が上がり、乾燥しますし、感染も起こしやすくなります。これがアトピー症状悪化の要因です」

 治療は従来の薬物治療を継続しつつ、発汗を促すように指導している。通勤や入浴など、日常で汗をかく機会をできるだけ増やす。ポイントは、汗をかいた後のケアだ。シャワーで汗を流すのが最善だが、難しい場合は顔や腕など、洗い流せる部分は洗い、それ以外はおしぼりなどで汗を十分に拭き取る。

 ステロイド外用薬も効きにくい患者40症例を対象に治療を実施したところ、大半が約1か月で症状が改善した。身体中に汗腺を有するのは、人間とチンパンジーだけと考えられている。せっかく全身に備わった発汗機能を活用して、アトピー症状改善に努めたい。

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2014年10月3日号

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