「極妻」岩下志麻 当初は戸惑いと葛藤があったことを明かす

NEWSポストセブン / 2014年12月1日 11時0分

 やくざ世界に生きる女たちの生き様を描き、空前のヒットとなった『極道の妻たち』(東映)。シリーズ累計15本、観客動員数670万人。ビデオやDVDの販売も70万枚を突破し、未だに根強く支持される。とりわけ印象的だったのは、初代から計8作登場した岩下志麻。今でこそ「岩下志麻なくして、極妻なし」といわれるほどの当たり役となったが、当初は戸惑いがあったと明かす。

「ピストルを撃たなきゃいけないし、背中に刺青をいれなくてはいけない。これまで演じてきたものとはまるで違う世界の女性像ですし、最初はとても躊躇しました。ですが信頼する五社英雄監督の『これまで岩下志麻になかった、粋とあだっぽさをこの作品で僕が出してあげる』という言葉で、私も潔く踏み切れました」(岩下、以下「」内同)

 それでも、役作りでは葛藤した。

「いつもはホン(台本)を読み、色々な場所へ見学に出かけて役作りをするので、この時も『本物の極妻さんの家に3日間ほど泊まって、生活を体験して役作りをしたい』とプロデューサーさんにお願いしたら『とんでもない』と、いわれてしまって(笑い)。でも『岩下志麻の極妻でいいんだ』と託していただけて、逆にイメージが膨らみました」

 着物を着てピストルを撃つという、現実世界にはない劇画タッチのシチュエーションが、極妻のロマンではないか──と岩下は語る。そのため、衣装からこだわった。1986年公開の第1作『極道の妻たち』ではまだスタイリストがついておらず、劇中の着物はすべて五社監督と呉服店へ出向き、試着して選んだもの。どのシーンでどの着物を着るかも自ら考えた。

「粋さが出る縦縞の着物が多かったですね。着付けもこだわりました。ピストルを撃つならば格好よくなくちゃいけないと、襟元をスーッと開けて。胸元にはプチネックレスをつけてみたり、ピアスを合わせることで、異質な世界を演出しました。帯も下めにつけ、ちょっと斜めに大きく締めることでやはり粋さを出してね。外股で歩いたり、顎を上げて低い声で話すことで、私が思う極妻像に近づけていったんです」

※週刊ポスト2014年12月12日号

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