上場企業平均年収ランク 好調の自動車会社が下位のカラクリ

NEWSポストセブン / 2015年1月8日 7時0分

 アベノミクスの効果を調査するため、本誌は「東京商工リサーチ」の全面協力で2013年度の全上場企業(3502社)の平均年収データを入手し、企業ごとに社員の平均年収が2012年度からどのくらい増減したかを比較し、上位500社のランキングを作成した。ランキングを見ていくと不思議な現象に気づく。

「アベノ賃上げ」の象徴で、トヨタをはじめ各社軒並み過去最高益の更新が見込まれている大手自動車メーカーが500社の下位に埋没していることだ。自動車業界は昨年の春闘でも大幅賃上げを実施し、今年の春闘でも自動車総連は「ベア6000円以上」を要求する方針だ。にもかかわらず、「純利益2兆円超え」のトヨタは226位で、子会社のデンソー(210位)より低く、日産は305位、ホンダは307位である。

 実は、「平均年収」だけではわからない隠れた給与実態がある。

 年収は大卒総合職や技術職の平均ではなく、賃金水準が異なる高卒の一般職や技能職を合わせた金額だ。メーカーの場合、正社員に高卒中心の技能職の割合が高いほど平均年収は低く出る傾向がある。2兆円の利益をあげるトヨタの順位が低いのはそのためだ。

 技能職の割合は企業によって大きく違う。トヨタの今年度の採用計画では、新規採用1350人のうち、「総合職」にあたる大卒の事務職が90人、大卒(院卒)の技術職が530人で、高卒中心の技能職が700人(中学から進学するトヨタ工業学園入学者190人を含む)とほぼ半数を占めている。それに対して、日産は技能職が募集定員の3分の1、ホンダも3分の1だ。

 3社の平均年収はトヨタ794万円(平均38.8歳)、日産766万円(42.8歳)、ホンダ765万円(44.5歳)と金額は並んでいるように見えるが、技能職を除いた大卒事務職・技術職だけの年収は、トヨタがかなり高いことになる。

「トヨタの大卒社員は入社7年目の29歳で約650万円、30代前半で主任になると約800万円、30代半ばまでに出世コースが分かれ、早い人は40歳課長で約1200万円、多くが課長になる45歳で年収1400万~1500万円前後、50歳部長で年収2000万円を超える」(トヨタ関係者)

※週刊ポスト2015年1月16・23日号

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