教育テレビで40人の偉人を演じてきた中村獅童の「凄いところ」

NEWSポストセブン / 2015年1月7日 7時0分

 2012年から放送している小学生向け社会科番組『歴史にドキリ』(NHK Eテレで毎週水曜9時20分~、10分間放送)。歌舞伎役者の中村獅童が40人にも及ぶ歴史上の人物を、現代風にアレンジしながら歌とダンスとともに演じ、大きな話題となっている。大人も楽しめるこの歴史番組の裏側を獅童が語る──。

 画面に映し出される黒髪の美女がこう言う。《あ、私は卑弥呼。そうね。今から、かれこれ1800年前にいた謎の女王なのよ》。この卑弥呼に扮しているのが歌舞伎役者の中村獅童。「でもさあ…」と、卑弥呼になったわが姿を見て、獅童はこうつぶやく。

「気の毒だよねえ、今の小学生は。だって、卑弥呼なんて神秘的な女王っていわれていたのに、この番組で卑弥呼を勉強した子供たちは、ぼくの顔で卑弥呼を覚えて大人になるわけでしょ? それはうれしくもあるけれど、気の毒でもありますね(笑い)」(獅童・以下同)

 これまで演じた歴史上の人物は40人(2014年12月19日現在)。番組では、邪馬台国女王・卑弥呼から明治の文豪・夏目漱石まで、男女問わず獅童が毎回、違う偉人になり切って、歴史をわかりやすく伝えている。

 しかも1人1人の人物の台詞回しや声色を変え、表情も時には目を細め、時には眼光鋭く、とにかく芸が細かい。

「歌舞伎役者って舞台で何役も演じるでしょう? ぼくは率先して道化役から女形まで何でも演じてきました。そういった経験が、この番組に生きているんじゃないかな」

 獅童を起用した理由について、同番組ディレクターの西澤道子さんは次のように語る。

「1年に20人もの人物を“演じ分ける”という点を第一に考えたときに、“獅童さんがいいな”と思ったんです。でも、お忙しいし、断られるかな? と思っていたら、獅童さんのお母様(故・小川陽子さん)が、“素敵ね、やるわよ”と快諾してくださったんです。踊りも“獅童は歌舞伎役者ですから、舞えるわよ”と、お母様のひと言で決まり(笑い)。

 獅童さんのすごいところは、男性が女性を演じる場合、普通は“女装”になるもの。でも獅童さんは、歌舞伎役者なので、所作がとてもきれいで、コスプレでも女装でもなく、“女形”になるんです。とても素敵なので当初の予定よりも、女性の役を増やしたほどです」(西澤さん)

 歴史上の人物を演じるだけでなく、歌、踊りもすべて1人でこなす。そんな収録に最初は戸惑い気味だったという彼だが、いざ、収録では本気。全力で演じ歌う。

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