新生VAIOの強敵はMacBook スタバで開きたい1台になれるか

NEWSポストセブン / 2015年2月21日 7時0分

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より高性能を追求した新型の「VAIO Z」

 かつて、世界販売1000万台に迫る売れ行きを誇っていたソニーのパソコン「VAIO」。それがいつの間にか赤字垂れ流しの“お荷物”となり、部門売却の憂き目にあったのが昨年7月のこと。

 事業は投資ファンドに引き継がれ、ブランドもそのままに新型パソコンの開発が長野県安曇野市(VAIO株式会社)で行われてきた。そして、ついに“新生VAIO”のフラッグシップモデルとなるノートパソコン『VAIO Z』が発表され、予約の受付が始まった。

「ユーザーが求めるものをとことん突き詰める」――。新会社の関取高行社長が掲げた理念は<本質+α>、すなわちVAIOの原点である高品質路線を極めるという意思表示だ。

 いまだ5%の出資比率があるとはいえ、ほぼソニーの後ろ盾がなくなったメーカーが独自に生み出したハイエンド機種。気になるのはやはりその実力だろう。さっそく、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏に聞いてみた。

「処理能力を上げるために高速CPU(米インテルのコアi7)を採用していたり、内部構造を見直して大容量バッテリー(15.5時間の長時間駆動)を搭載可能にしたりと、ビジネスユースのために徹底的に性能を追求した点で評価は高いと思います」

 VAIOは同モデル単体での販売目標を明らかにしていないが、ソニー時代の仕様で発売済みの既存機種なども含め、「2015年度(2015年6月~2016年5月)の販売目標は30万~35万台」(広報担当者)という。

 この販売数字は果たして達成できるのか。某証券アナリストはこう予測する。

「VAIOは当面国内販売をメインにしていく予定なので、ソニー時代の国内販売台数70万台前後と比べると半数程度。ただ、安価な製品も多く、パソコン離れが叫ばれる中にあっては、楽々と売れる台数ではありません」

 VAIO Zの価格は税別で18万9800円~。前出の安蔵氏も、「10万円を切るモバイルノートPCもざらにある中で、性能やデザイン性、質感の良さを満たしたモデルのニーズは決して高くはありません」と、価格面での不安要素を口にした。

 さらに、上位のライバル機種との戦いも待ち受けている。

「ビジネスマン向けの国内製品ではパナソニック『レッツノート』の人気が高いですし、交換部品などが世界中で入手しやすいという点ではレノボの『ThinkPadシリーズ』が群を抜いています」(安蔵氏)

 そして、安蔵氏がVAIOの最大のライバルとして挙げたのは、米アップルの『MacBookシリーズ』だ。

「マックブックはデザイン性も含めて一部のユーザーには熱狂的に支持されているパソコンです。いま、コーヒーチェーンのスターバックスに行くと、『MacBook Air』を広げて仕事をしている人が圧倒的に多い。VAIOもスタバに持っていきたいと思わせるような魅力あるブランドに成長してほしいと思います」(安蔵氏)

「+α」は性能よりもむしろ、外見で惹きつけるかっこよさなのかもしれない。さて、生まれ変わったVAIOが実の親を見返すことができるか。5月の発売が楽しみだ。

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