ラグビー・松尾雄治 フェイントは左とん平の芝居の間が参考

NEWSポストセブン / 2015年5月29日 7時0分

 半世紀を超える芸能生活は波瀾万丈を地で行く七転八倒ぶり。ポーカー賭博による3度の逮捕では世間からの批判も浴びた。しかし周囲には変わらず、厳しくもあたたかく彼を見守るたくさんの仲間たちがいた。このたび、めでたく喜寿を迎えた名優・左とん平(77才)が、友人、後輩たちとの交遊録を初めて明かした。

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 これまで先輩役者の背中を見て育ってきたとん平は、現在では多くの後輩にとっての「師」として、後進の手本となっている。とん平と何度も共演しているコロッケは喜寿の会でこんなあいさつをした。

「人として、役者としてモノマネをしたい人にやっと出会いました。それにしても、とん平師匠はどうしてあんなに面白いんですかね?」

 元巨人軍のエース・槙原寛己はとん平のスタミナに舌を巻く。

「とん平さんは本当にタフでお元気。徹夜で遊んで、朝からゴルフに行く。腕前もシングルですからね。信じられないほどのバイタリティーです」

 日本選手権7連覇を誇るラグビー界の大スター松尾雄治は「現役時代からとん平師匠の演技が大好きでした。ふと、立ち止まる。ふと、振り返る。何気ない仕草がいいんですね。実はラグビーのフェイントはとん平師匠の芝居の間を参考にしたものです」と意外なエピソードを披露した。

 この会でコロッケは「いつまでも背中を追いかけていたい」と語った。だからこそ、今もなおとん平は現役にこだわり続ける。すでに喜寿を迎え、芸歴も60年に達しようとしている。実にいろいろなことがあった波乱の芸能人生をこうふり返った。

「こんなことを言うと、“反省していない”と怒られるかもしれないけど、遊びをやっていたから、仕事を頑張れたし、多くの仲間もできたというのは確かだと思うな。これまで、多くの先輩たちに助けられてきたけど、気がつけば、おれがもう最年長で、最後の喜劇人といわれるようになっているんだからね。これからも、体の動くうちは若手の刺激になるような先輩でいたいよね」

 パーティー会場を後にする人々はみな笑顔だ。この日の主賓はとても喜寿を迎えたようには見えない、若々しい笑顔で一人ひとりと固い握手を交わしている。

「人間、何でもそうだけど、満腹感があっちゃいけないんだよね。同じように芸も腹七分がちょうどいい。お客さんが“もっと見たいな”っていうところでパッと切り替える。若いときは、ついつい目いっぱいやってしまったこともあるけど、七分ぐらいがちょうどいいんだと、この年になって改めてわかったよ」

 この日のパーティーが盛会に終わり、とん平は決意を新たにする。

「今日を、これからのスタート地点にしたいんだよね」

 左とん平――喜寿を迎えてもなお、まだまだ現役真っ只中だ。

取材・文■ノンフィクションライター・長谷川昌一

※女性セブン2015年6月11日号

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