「まれ」 同じ自分探し路線でも「あまちゃん」との決定的違い

NEWSポストセブン / 2015年9月16日 7時0分

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『まれ』はなぜいまいちブームにならなかったのか?

 NHK朝の連続テレビ小説『まれ』。第24週の週間平均視聴率は20.2%を記録(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。これで週間で20%を超えたのは5回目となった。ようやく持ち直してきた感もあるが、前作の『マッサン』に比べると、国民的なブームを起こしているとは言い難い。いったい、どこが受けなかったのか? コラムニストのペリー荻野さんが分析する。

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 いよいよ最終回が近づく朝ドラマ『まれ』。視聴率も関東地区で20%超と健闘しているにも関わらず、私の周囲(特に男性)から「いまいち乗りきれない」との声も多い。その理由はどこにあるのか?

 まず、ヒロイン希がこどものころからの夢の仕事が「パティシエ」であること。ご存知、パティシエは現代の女の子たちの憧れの職業のひとつ。2015年の調査によると6~15才の日本の女の子の「なりたい職業ランキング」ナンバーワンは「パティシエ」で16.8%。二位の「先生」8%を大きく引き離した。(アデコグループ調べによる。ちなみに同じ調査で男子の一位はサッカー選手)

 もちろん、希の師匠は小日向文世演じる男性パティシエだったし、この仕事が女子専門というわけではないが、パティシエ=女の子の夢というイメージは強く、男性視聴者は乗っかりきれなかった可能性は高い。

 そして、もうひとつ。自分探し路線。私は常々、朝ドラマにはふたつの種類があると思っている。ひとつは骨太にどっかりと苦難と戦う物語、もうひとつは時代の空気に流されそうになりながら自分を探す物語。前者の代表は、驚異的な視聴率を記録した『おしん』、近年の作品でいえば『花子とアン』がある。貧しい暮らしから、一途に自分の道をいくヒロイン。震災や戦争などですべてを失ってもたくましく立ち上がる。女の一代記である。

 一方、自分探しは現代を舞台にした作品がほとんどだ。物質的には恵まれていても、自分が何をすべきか迷い、戸惑う。その代表は『あまちゃん』だ。思えば、あまちゃんの天野アキ(能年玲奈)は、母の故郷で海女になるといいながら、東京でアイドル活動を始め、再び、海女の世界に戻っていく。家族や友人を巻き込みながら、成長したんだかなんだかよくわからない異色のヒロインだった。それでも、中高年男性視聴者からも多くの支持を得たのは、80年代のアイドル懐かしプレーバックシーンや徹底したパロディ精神、さらには震災にもこのドラマらしく向き合い続けた姿勢があったからだ。

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