アイドルの「卒業」事情 現役地下アイドル・姫乃たまが解説

NEWSポストセブン / 2016年2月27日 16時0分

 卒業にも、グループや事務所からの卒業と、業界からの卒業(引退)があります。

 先日、アイドルユニットGirls Beat!!からの脱退を発表した加護亜依さんのように、ソロアイドルとしてさらに飛躍し前進するために環境を変える場合と、規約違反などで解雇される後ろ向きな場合があります。事務所やメンバーとの対人関係がうまくいかないという理由もあるでしょう。

 規約違反の内容は、ファンとプライベートな連絡を取ったり、恋愛をしていたり、SNSで問題発言をしたり、ツイッターに裏アカウントを作る等々です。ぼうっとしているうちに仕事がなくなって自然消滅したり、もう売れないだろうと見切りをつけて去って行く冷静な人もいます。

 引退するきっかけは、進級、進学、就職など、私生活の転機が最も多いです。結婚(隠して続ける人もいますが)、出産(バレないように産んで続けている人もいましたが)もあるでしょうし、地方への引っ越し、親孝行を理由に引退する人もいます。

 最近は、病気が理由で引退や活動休止を発表する地下アイドルが増えているように感じます。持病の場合もありますが、ストレスから症状が出る人もいます。病気の場合、ライブの高揚感が辞めたい気持ちに歯止めをかけて、卒業を決断するまでに悩む期間も長いそうです。

 活動休止したまま、二度と戻ってこない子もいます。大人から、大きい仕事や、売れそうなグループ結成の話を持ちかけられて、準備のために活動休止したまま戻ってこない子を何人も見ました。

 反対に辞めても辞めても、何度でも名前を変えて、グループを変えて、戻ってくる子もいます。音信不通になっちゃう子もいます。私自身も、4年前に地下アイドルを「卒業」するはずでした。

 19歳の誕生日を翌日に控えたワンマンライブを最後に、私は地下アイドルを辞めようと思って活動休止ししました。あのときは本当に疲れ切って満身創痍でした。複雑な対人トラブルもありましたし、何よりも私生活の自分が、公の自分に殺されていく感覚に耐えられませんでした。技術よりもイメージが大事な地下アイドル業は、どれだけ自然体で活動していても、どこかで無理が生じます。人付き合いも大事で気が抜けず、帰宅してからもSNSは更新しないといけない焦りがあり、ライブは非日常的な躁状態で、良くも悪くもストレスがかかりました。

 それでもいま地下アイドルとして活動しているのは、落ち着いて、自分ではない自分を楽しめるようになったからです。活動休止後の私は、自分を、姫乃たまという乗り物で、地下アイドル業界にやってきた旅行者であると考えるようになりました。そうすると肩の力が抜けるのです。しかし、あくまで乗り物を操縦しているのは自分なので、自然と、公の自分が私生活の自分と一致しました。その結果が、今日です。

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