作曲家・後藤次利 「曖昧で猥雑なものが歌謡曲の魅力」

NEWSポストセブン / 2016年6月8日 16時0分

 1990年代に入り、バブルがはじけるのと時を同じくして「歌謡曲」は「J-POP」へと名称を変えた。

 作詞作曲を自ら手がける歌手が増える一方、安室奈美恵(38才)や華原朋美(41才)、鈴木亜美(34才)やglobeなど、小室哲哉が楽曲を提供する小室ファミリーや、つんく♂がプロデュースするモーニング娘。や松浦亜弥(29才)。それが2006年のAKB48のデビュー、そして現在の人気へと連なっていく。

 ここでランキングを見てほしい。これは、2016年5月23日付のオリコン週間CDシングルランキングだ。

【最新ヒット曲ランキング】
1:真剣SUNSHINE Hey!Say!JUMP
2:泡沫サタデーナイト!/The Vision/Tokyoという片隅 モーニング娘。’16
3:一度だけの恋なら/ルンがピカッと光ったら ワルキューレ
4:Puzzle CNBLUE
5:My Best Friend Little Glee Monster
6:元気全開DAY!DAY!DAY! CYaRon!
7:甘噛み姫 NMB48
8:ラブハンター THE HOOPERS
9:ninelie EP Aimer
10:High Free Spirits TrySail (2016年5月23日付 オリコン週間CDシングルランキング)

 席巻しているのは日韓のアイドル、そしてアニメの登場人物や声優のユニットだ。この音楽文化を支えるのは大半が若者だが、その若者たちの音楽の楽しみ方は、かつてとは様変わりしている。スマートフォンをプレーヤー代わりにして配信サービスを使ったり、YouTubeで視聴したりと、以前よりもカジュアルかつスマートに最新の歌に触れている。

 新しい音楽は、茶の間で家族揃ってテレビの前で聴くものから、個人が好みのものを好きなときに好きな場所で聴くものへと、大きく変貌を遂げている。

 その現代から、改めて全盛の時代を振り返ると、歌謡曲が愛された理由が見えてくる。工藤静香(46才)のソロデビューから20作連続でシングルを手がけた作曲家の後藤次利さんはこう話す。

「最近の歌は、詞も曲もよくできていますよ。ただ、今は何でもきっちりすることを良しとする時代で、不倫なんて絶対に許されませんよね。でも、きっちりした枠には入れない男女も現実にはいて、その隙間を描いたのが歌謡曲でした。曖昧で猥雑なものが、歌謡曲の魅力を生み出すんです」

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