中国軍 給与引き上げ検討も経済悪化で断念し不満噴出
NEWSポストセブン / 2016年7月31日 7時0分

中国軍で不満噴出の理由は
中国人民解放軍の幹部や兵士の大幅な昇給案が検討されていたが、軍内部の討議で否決されていたことが分かった。このため、軍内には兵士や下士官を中心に不満の声が高まっており、将校ら高級幹部も不満を抑えるのに懸命だという。米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」が伝えた。
軍内の昇給案は、昨年8月から検討され、平均で5.95%増の予定だった。師団長クラスで3万元(約50万円)、最下級の兵士では5750元(9万5000円)になる見通しだった。
昇給分は地方の大軍区(現在の戦区)司令官の場合は約2万元で、年収は5万元程度。師団長も昇給分は1万2000元。以下、連隊長は9000元増、大隊長が7000元、中隊長が6000元、小隊長が5000元となる予定だった。
ちなみに、中国統計局によると、中国の都市部の国有企業従業員1人当たりの平均年収は約6万2000元となっており、軍人の場合は給料が低く抑えられていることは否めない。
習近平指導部は昨年末から今年初めにかけて、大規模な軍事改革による組織改編を行っており、これを機会に、軍内で不満が強かった給与を改革して、国有企業並みの年収を保障する方針を打ち出していた。
ところが、中国経済は昨年来、一層悪化していることから、200万人の軍人に支払う原資が不足しており、今回の給与改革は実施予定の直前になって急きょ延期となってしまった。
なお、中国国防省は今年6月末、記者会見で、「軍の給与改革の情報があるが、それは事実ではない」と正式に否定している。
これに対して、収まらないのは、待遇がよくない軍の若手兵士を含む下士官層で、一部の地方の軍では職務放棄などが拡大しているという。
ネット上では、「軍は災害があると、一番初めに被災地に行かされて、劣悪な環境で支援活動を強いられたり、戦闘でもそうだ。訓練も過酷であり、このままでは昔から言われるように『好鉄不打釘、好人不当兵(良い鉄は釘にはならず、良い人は兵隊にはならない)』と、だれも軍兵士に志願する者はいなくなってしまい、習近平が命令して戦争を戦う兵士はどこにもいなくなってしまうのではないか」などの書き込みが散見されている。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
中国軍、給与大幅引き上げへ―仏メディア
Record China / 2021年1月25日 11時0分
-
米上院、黒人初の国防長官承認=オースティン氏に例外適用
時事通信 / 2021年1月23日 1時11分
-
中国軍は「世界最強軍隊」目指す 著名軍人、米軍超え明言
共同通信 / 2021年1月15日 18時0分
-
中・豪州関係さらに悪化「2021年を占う!】中国
Japan In-depth / 2021年1月6日 15時43分
-
北朝鮮軍「内なる敵」との戦いで敗北寸前の窮地
デイリーNKジャパン / 2021年1月4日 6時37分
ランキング
-
1「文政権が賢明なら慰安婦合意を続けるべきだった」韓国メディアが指摘、ネットからも批判の声
Record China / 2021年1月25日 13時20分
-
2“4年死に体”バイデン大統領は「悪夢の米民主党政権」に 中国・ウクライナや認知症疑惑…「エプスタイン問題」も“大きな爆弾” 大原浩氏緊急寄稿
夕刊フジ / 2021年1月25日 17時16分
-
3アジア最大麻薬組織の首謀者逮捕 オランダ警察、日本などに密輸
共同通信 / 2021年1月25日 9時58分
-
4米、台湾への「極めて堅固」な支持表明 連日の中国軍機飛来でけん制
AFPBB News / 2021年1月25日 15時7分
-
5中国、外国船舶への武器使用を許可 全人代が法案可決
ロイター / 2021年1月25日 10時33分