ヒット商品連発のダイソンがマーケティングをしない理由

NEWSポストセブン / 2016年12月10日 7時0分

 そういえばダイソンは世界初の直営旗艦店も、東京・表参道にオープン。創業時から今まで、まさに日本人と歩みを共にして進化してきた外国家電メーカーだったのだ。

◆マーケティングはしない

 ところが、ピーク氏はこんな意外なことを口にした。

「決して消費者に聞かない質問があります」 

 日本ユーザーの声にこれだけ耳を傾けている、というのに。いったいその質問とは何なのか。

「ダイソンが次に何を作るべきか、という問いかけはしません。もし質問すれば『より軽いもの』『静かな製品』といった答は色々と得られるでしょう。現在の製品を改善していく要望は出る。しかし『航空力学を活かした家電』といった答は返ってこないはずです。それが、私たちがマーケティングをしない理由です」

 ピーク氏は言った。「まさかこんなものができるなんてという驚きと感動を提供したい。それが全て」と。同社には今エンジニアが2000名いる。従業員の約3割を占める高い比率だ。しかも平均年齢は28~29歳。

「消費者にウケる商品を作るのではなくて、今までなかった製品をテクノロジーで実現していきたい。そのためには前例にとらわれない想像力、斬新な発想力がいるのです。エンジニアの大半が新卒採用なのも、経験にとらわれず、まっさらの頭で創造してもらいたいから」

 一年中出しっ放しでOK。インテリアに溶け込んでしまうユニークな姿。日本の狭い居住空間にフィットする多機能家電。「Dyson Pure Hot+Cool Link」は「季節家電」という言葉を消し去った。

「次に何を作るか」を市場に問わないダイソンは95%の失敗から学ぶという。そのエンジニア魂によって、扇風機を根底から問い直し、私たちがいまだ見たことの無い新たな家電を市場に送り出したのだった。

※SAPIO2017年1月号

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