中村玉緒 男の人は京女の言葉に目尻下げちゃいけません

NEWSポストセブン / 2017年3月26日 7時0分

【この人が語るこの本】『京女の嘘』/井上章一著/PHP研究所/本体800円+税

【著者プロフィール】井上章一(いのうえ・しょういち)/1955年京都市右京区花園生まれ、同嵯峨育ち。京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。国際日本文化研究センター教授。建築史・意匠論、美人論、関西文化論などで知られる。『美人論』(朝日文芸文庫)など著書多数。

 京都の「洛外」(郊外)に生まれ育った著者が、「洛中」(中心街)の京都人から蔑まれてきたことの恨み、辛みを綴り、2016年の新書大賞を受賞したベストセラー『京都ぎらい』(朝日新書)。それに続く第2弾として発売されたのが本書『京女の嘘』(PHP研究所)。曰く、女の京都弁は女の値打ちを上げ、男を惑わせる……。「京女」が持つ(と思われている)独特の魔力を話の枕に、著者の専門である美人論を展開した本だ。

 関西歌舞伎の名門家庭の長女として京都の中心街に生まれ(父は2代目中村鴈治郎、兄は4代目坂田藤十郎)、京都の名門女子校で、通称「京女」と呼ばれる私立京都女子中学校・高等学校を卒業。平成23年からは京都市の「京都名誉観光大使」も務める中村玉緒さんは、「京女」という存在をどう考えるか。(インタビュー・文/鈴木洋史)

──生まれたのは中京区の蛸薬師のそばだそうですね。

中村:三条と四条の間で、先斗町にも近いという京都のまん真ん中です。家のすぐ裏にあった立誠という小学校に通っていましたが、同級生には芸者さんの娘さんも多かったですよ。実は近藤正臣君が同じ小学校の2年下で、私のことを「先輩、先輩」と言うんですが、近藤君も先斗町のお茶屋さんの息子さんですね。

──そういう環境で育つと「洛中意識」は強い?

中村:いえ、いえ、そんな意識はありません。中学3年生のときに大映と契約し、翌年、平安神宮のそばの左京区岡崎に越しましたし、22歳で主人(故・勝新太郎)と結婚してからは嵐山の天龍寺のそばに住みましたから(いずれも郊外)。

 でも、小学校の同窓会は今でも2年に1回やっていて、毎回、百数十人の同級生のうち60人ぐらいが集まります。これ、自慢なんやけどね、お互いに連れ合いを亡くした同級生同士が同窓会で再会し、去年、結婚したんですよ、70代半ば同士で。ふだんでも「誰それが入院した」いうと、同級生の間でわぁーっと連絡が回りますし、私が「徹子の部屋」に出たいうと、「見たよ」「見たよ」って何枚もファクスが入ります。京都という土地柄の特色なのか、結束力が強いんです。古い家の人が多く、消息不明の人が少ないという事情もあるのかもしれません。

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