【法律相談】59分発の新幹線は59分50秒に発車すべきでは?

NEWSポストセブン / 2017年6月19日 16時0分

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どのタイミングで発車するのが適切なのか?

 鉄道の時刻表に「10時59分発」と記されていた場合、その「10時59分」の「●秒」のタイミングで発車するのが妥当なのか。「10時59分50秒」に発車してもよいのではないか? そんな相談が寄せられた。弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 新幹線を利用した際、疑問に思ったことがあります。10時59分発の新幹線が、実際には10時59分02秒に発車したのです。10時59分発なら、10時59分50秒に発車してもかまわないはず。48秒もあれば、乗り遅れそうな人でも乗車できます。なのに、10時59分02秒で発車するのは、鉄道の規則に反していませんか。

【回答】
 鉄道事業について定めている鉄道事業法第17条では、鉄道事業者に対して「国土交通省令で定めるところにより、列車の運行計画を定める」ことを求めています。また、この国交省令である鉄道事業法施行規則第35条は、運行計画に定めるべき事項について、路線区間や列車の最高速度などのほか、「定期に運行する列車の発着時刻」をあげています。

 この列車の発着時刻が記載された運行計画が、いわゆる時刻表の基になっており、鉄道事業者はこれに従って列車を走らせなくてはなりません。

 さて、この運行計画に定められるのは、上記のとおり「発着時刻」です。そこで「時刻」の意味が問題になります。ただし、時刻の定義を定めた法律はありません。世間一般の常識で判断するしかないのです。そして、辞書では時刻とは「時の流れにおけるある瞬間。連続する時間の中のある一点」と解説されています(大辞泉)。

 時刻表での10時59分発というのは、10時59分00秒から同分59秒までの間隔をいうのではありません(2つの時点間の間隔は時刻ではなく時間です)。つまり、59分中に発車するというのではなく、10時59分ジャスト、すなわち10時59分になった瞬間に発車することになります。よって、10時59分発の新幹線が、10時59分02秒に発車しても問題ないのです。

 私は運行計画表を見たことはありませんが、「列車の発着時刻」とありますから、着時刻も定められているはずです。停車時間は、その差になるはずですが、分単位で定められていれば、あなたの意見だと発着時間については、必ず1分弱は停車しなければならず、時間が余計にかかってしまいます。一瞬の差で悔しい思いをして、車掌や運転士を恨むこともありますが、正確な発車であり、やむを得ない運行だとあきらめましょう。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2017年6月30日号

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