落選運動 米韓など海外ではすでに市民権を得ている

NEWSポストセブン / 2017年7月10日 16時0分

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自民党は都議選大敗から立ち直れるのか?

 全国の有権者は、都議選で歴史が変わる印象的な光景を目の当たりにした。都民ファーストの名もなき新人が次々にトップ当選し、固い地盤を持っていた自民党のベテラン都議が軒並み落選、「結党以来の記録的大惨敗」(同党選対幹部)を喫した。だが、真の勝者は小池知事でも都民ファーストでも、ましてや共産党でもなかった。

 選挙の最前線に立った自民党都連の幹部が絞り出すように語った実感がそのことを示している。

「投票日の午後の出口調査で気づいたが、本当の敵は都民ファーストではなかった。自民党と共産党が最後の1議席を競り合っていた選挙区で、共産党が嫌いなはずの保守層や無党派層が、自民候補を落とすためだけに共産候補に投票するという現象が起きていた」

◆特定の候補を落とす自由がある

 今回の都議選では日本で最初の本格的な「落選運動」が展開され、「自民党候補を落選させる」ために1票を投じた有権者がいたのである。それが大きなうねりとなって1人区ばかりか、中選挙区の2人区や3人区、4人区でも自民党候補が全滅する現象を起こした。選挙制度論に詳しい上協博之・神戸学院大学教授が語る。

「特定の候補を政治家に相応しくないと訴え、当選させないようにする行為、つまり『落選運動』は選挙運動とみなされないため、公選法に抵触しません。告示前は特定の候補を当選させる選挙運動(事前運動)は禁じられていますが、落選運動は可。いつでも始められるし年齢制限もない。選挙期間中も有権者がメールで投票を促すことは認められていないが、落選を促すメールは禁じられていません。

 注意が必要なのは候補者が2人しかいない場合。一方を落選させる活動が、他方の候補を当選させるための選挙運動とみなされる可能性はあります」

 特定の候補を落とす活動は、ある程度の自由が許されていることになる。落選運動は海外ではすでに市民権を得ている。

 韓国では2000年総選挙で大規模に行なわれ、学生や460の市民団体が「総選挙市民連帯」を組織して政党を問わず、腐敗政治家や職務怠慢、選挙不正を起こした86人の「落選させるべき政治家」をリストアップして対立候補への投票を呼び掛け、59人を落選させた。米国でも、2012年の共和党の大統領予備選挙で保守系団体(ティーパーティー)が共和党穏健派のロムニー候補の指名に猛反対する運動を展開。その他、大物議員らも落選運動によって大打撃を受けている。

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