支持率低下でピンチの安倍首相「9.17小泉訪朝」の大博打

NEWSポストセブン / 2017年8月28日 16時0分

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起死回生の一手が飛び出すか

 支持率が低下して、都議選では都民ファーストに惨敗、さらには10月22日投開票の3選挙区(青森4区、新潟5区、愛媛3区)で行われる衆院補選での全敗危機も囁かれる安倍政権。そんな絶体絶命の安倍晋三首相は起死回生を狙って「大博打」を仕掛けようとしている。小泉純一郎・元首相を首相特使として北朝鮮へ電撃訪問させるという情報が流れているのだ。

 その仰天情報の“根拠”になったのが去る8月15日の行動だった。この日、安倍首相は午前中にトランプ米大統領と電話会談し、北朝鮮によるグアムへの弾道ミサイル発射予告への対応を協議した。その後、全国戦没者追悼式への出席を終えると山梨県鳴沢村へ静養に向かい、笹川陽平・日本財団理事長の別荘で小泉氏、森喜朗氏、麻生太郎氏の首相経験者3人や、日枝久・フジテレビ相談役らを交えて会食した。官邸中枢筋の話だ。

「首相経験者を集めたのはカムフラージュで、総理の目的は小泉さんを呼び出すことにあった。会食が終わった後、2人はサシで会談し、総理はミサイル問題の打開のために小泉さんに訪朝を打診したとみられている。総理や周辺はこの小泉特使計画に大きな期待を抱いており、事前に米国との調整も行なって、トランプ大統領も前向きだという。米国にまで根回しされると小泉さんも断われないはずだという読みのようだ」

 1994年の北朝鮮核開発危機の際、時のクリントン大統領は北朝鮮空爆やむなしの情勢の中、ジミー・カーター元米大統領を特使として訪朝させ、土壇場の交渉で軍事衝突を回避した。安倍首相は小泉元首相にカーター氏の役割を求めたということになる。

 とはいえ、安倍首相がいくら前のめりになっていても、北朝鮮側が受け入れなければ小泉特使は実現できない。

 日朝間では、8月6日に行なわれたASEAN関連外相会議の夕食会の際、河野太郎・外相が北朝鮮の李容浩・外相と2年ぶりに意見を交わし、李外相側が「対話」を求めたことを読売新聞が報じている(8月15日付朝刊)。日米朝の間で水面下の動きがあることがうかがわれる上、トランプ大統領の「あるかもしれないし、ないかもしれないが、恐らく何か良いことが起こるだろう」(8月22日)の発言も意味深だ。

 小泉氏が電撃訪朝して金正恩氏の父・金正日氏と歴史的な日朝首脳会談を行ない、「日朝平壌宣言」に署名したのが2002年9月17日だった。今回の“小泉特使”の訪朝もちょうど15年目となる9月中旬を軸に調整が進められているとの説もある。政治評論家の有馬晴海氏はこんな見立てをする。

「安倍さんはいま支持率を上げるためには何でもやるというくらい焦っている。訪朝はビッグチャンスだが、『私の内閣で拉致被害者を全員帰国させる』と公約している手前、安倍首相自身が出張って拉致問題がゼロ回答では国民は納得しない。しかし、今回の特使の役割は弾道ミサイル危機を回避するための米朝間の橋渡しにあり、北朝鮮側が日本人拉致被害者を帰国させるとは考えにくく、安倍訪朝はリスクが大きすぎる。そこですがるような気持ちで小泉さんに頼んでいるのではないでしょうか」

 かつての小泉訪朝では小泉内閣の支持率が急上昇した。だからといってトリプル補選前に“小泉身代わり訪朝”が成功しても、支持率回復の効果がどの程度のものになるかは誰にも分からない。だが、ライフワークを自任する拉致問題や北朝鮮外交さえ、いまや自力では何もできなくなった状況が、行き詰まった安倍首相の焦りを物語っている。

※週刊ポスト2017年9月8日号

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