菅官房長官に上から目線の総理秘書官 麻生氏の逆鱗に触れた

NEWSポストセブン / 2017年9月5日 16時0分

写真

複雑なトライアングル(写真:時事通信フォト)

 文頭に『取扱厳重注意』と印字された、A4判2枚のペーパーがある。総理首席秘書官の今井尚哉氏と官邸詰め記者とのオフレコ懇談の内容が記されたメモだ。そこには、「今すぐ秘書官を辞めてやる」という激しい言葉を安倍晋三首相にぶつけたことが記されていた。この件については、支持率低迷に悩む安倍首相が“今井切り”に動いたとの指摘もある。政府中枢で何が起きているのか。

 官邸では菅義偉・官房長官、麻生太郎・副総理と今井氏が暗闘を繰り広げている。今井氏の影響力排除を首相に強く進言したとされるのが菅官房長官だ。菅氏に近い議員が語る。

「森友問題も加計問題も今井秘書官が疑惑を強行突破しようと対応を仕切って失敗した。安倍総理が国会で『私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める』と答弁して批判に火がついたが、あれも今井氏の作文だ。菅さんはその尻ぬぐいで記者会見で矢面に立たされ、満身創痍になっている。そこで内閣改造を機に、今井に出しゃばらせないように総理に強く進言した」

 その菅vs今井の前哨戦が稲田朋美・元防衛相の更迭問題だった。今井氏は稲田氏1人の更迭を主張したが、菅氏は大臣の不祥事が防衛省内からリークされた問題を重大視して稲田氏と黒江哲郎・前防衛次官2人の両成敗を主張した。結果として、安倍首相は菅氏の提案を採用。今井氏の凋落の始まりだった。

〈黒江は国にとって重要な人間であると話したが、止まらなかった。黒江は全部の罪を被った〉

 オフ懇メモで今井氏はそう振り返ったうえでこう続けている。

〈朝日と東京新聞は菅さんが辞めるまで会見で攻めてくるつもりだろう。10年選手がそろっている官房長官番はなんとかしたほうがよいのではないかとも思う。記者会見の主催は記者会なんだから。(第1次安倍政権の)塩崎(恭久)官房長官の時は総理の盾に全くならなかったが、菅長官は矢面に立ってくれるからな。菅さんを代えたとしても、一時的に支持率が回復するかも知れないが、その後はまた下がって長くは持たないよ。週刊誌でいわれている俺と菅さんの不仲説はありえない〉

 この“上から目線”の言い方を、今井氏の尻ぬぐいで批判を浴びている菅氏はどう聞いたのだろうか。

 麻生副総理と今井氏も“不倶戴天”の関係にある。2016年5月の伊勢志摩サミット後の会見で、安倍首相は消費税増税の再延期を表明した。そのときに使われたのが今井氏が中心になってまとめた「世界経済はリーマンショック前夜に似ている」と分析した“今井ペーパー”だ。財務大臣でありながら直前まで知らされていなかった麻生氏は激怒し、“今井氏の胸ぐらをつかんだ”とも報じられた。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング