角居勝彦調教師 競馬のコンマ5秒差は「惜しい」のか

NEWSポストセブン / 2017年10月29日 7時0分

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数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏

 レースで勝てなかった時、陣営は着順より勝ち馬との着差に注目するという。馬柱でも確認できるこの数字を予想にどう生かせばいいのか。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、コンマ5秒差(0.5秒差)ならば挽回できる差なのか、についてお届けする。

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 前走ハナ差負けなら勝ったも同然、アタマ差、クビ差でも今度こそなんとかしてくれるのではないかと思うでしょう。とくに未勝利戦などでは、そういった馬に人気が集まるでしょう。

 さらにファンの感覚からすればコンマ5秒差くらいなら、と思うかもしれません。

 でも私たちの感覚としては「コンマ5秒も」です。同条件での巻き返しの目安はコンマ2秒差でしょうか。コンマ2秒差はほぼ1馬身。前の馬の影を捉えられるかどうかというところ。それを考えると、コンマ5秒差は相当に大きいことが分かります。

 しかし、場合によってはなんとかなる。どんな競馬でコンマ5秒差だったか。そこが大事です。

 まず展開。逃げて負けた時はまずい。逃げ切れずにコンマ5秒差がついた馬は、次走はコースや競馬場を変える場合が多いようですが、たいていは芳しくない。よく1400メートルで逃げきれなかったから1200メートルなら粘れるというけれど、コンマ5秒差の大差は埋めにくく、そう簡単ではないのです。

 一方、差し届かずのコンマ差ならば見込みはある。届かない馬はエンジンかけて動き出すまで時間かかる。不器用なタイプなので、競馬を覚えて上手に立ち回れば着差を埋められます。各コーナーの通過順を見れば、どういう競馬をしたか分かるはずです。

 次に距離。同じコンマ5秒差でも、1200メートルと2000メートルの場合はもちろん違う。同じ着差ならば、たしかに距離の長いほうが頑張った印象を受けますね。長い距離のほうが逆転可能と思うかもしれません。でも実は逆で、短い距離のほうが着差を縮められ易いのです。

 2000メートルのレースで、普通の脚質ならば、レースが落ち着く頃には自分のポジションにもっていくことができるはず。それができず、コンマ5秒も離されているということになれば修復しづらい。チャンスがあったにもかかわらず、3馬身ぶっちぎられたという感じです。

 道中をいい位置につけたけれどもコンマ5秒離されたならば、さらに完敗感が漂う。競馬を分かっているわりには勝てない。その時の力不足、体力の状態を見て、思い切って放牧に出すこともあります。

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