カード優遇社会に違和感 ETC、レンタカー、歌舞伎鑑賞なども

NEWSポストセブン / 2017年11月2日 7時0分

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現金族はどんどん肩身が狭くなる

「使い過ぎたら大変」「盗まれたら大変」──だからカードは危ないと教えこまれてきた「現金族」にとって、“カードを持っていないと損する”社会は違和感だらけである。目に余る「カード優遇社会」への不満が、いろいろな場面で渦巻いている。

 孫の顔を見るため、隣県に住む娘夫婦宅に車で向かうことが増えた元公務員のA氏(68)は、有料道路が割引されるETCを搭載しようと車用品店に駆け込んだ。

「店頭で『クレジットカードの情報が必要です』と言われ、『そんなもん持ってない』と答えると、店員に『保証金』として2万円以上も請求されたのです」

 ETCはクレジットカード払いが原則で、カードがない人は高速道路6会社が共同で発行する「ETCパーソナルカード」を申し込まなければならない。だが、申し込み方法はかなり複雑で、「保証金」を前払いしなければいけない。

「結局面倒臭さに勝てず申し込むのをやめましたが、それで有料道路を通る時に割高になっていると思うと納得いきません」(A氏)

◆公共料金でも損させられる

 カードを使える店がどれだけ増えようとも、「現金払い」でも不便でないなら何の問題もなかった。しかし今起きているのは、このように「カード払いじゃないと損をする」という現象だ。

 旅行が趣味のB氏(70)は旅先の九州でレンタカーを借りようとしたら、「現金払いは身分証明書が必要です」と言われたという。

「リタイアしたので社員証もなく、健康保険証で難を逃れた。やれやれと思いつつ、せっかくの夫婦旅行なので奮発してハイグレード車を選んだら、『そちらはカード決済限定です』と冷たく言われました」

 定年後、歌舞伎鑑賞を趣味にしているC氏(70)は、舞台を予約する時、クレジットカードがないばかりに毎回苦い思いをしているという。

「『ネットだと確実に良い席を確保できる』と聞いたので試してみようと思いましたが、カード決済のみでした。現金払いは電話予約するしかないが、なかなかつながらず、良い席を取れない。それでもカードはお金を使った気がせず、使い過ぎてしまいそうなので持つ気になりません」

 カード研究家の小河俊紀氏は、カードを持っていない人が損する流れは、今後も加速していくという。

「政府は2020年の東京五輪に向けて、カード社会になじんだ外国人が不便を来さないよう、今後10年間でキャッシュレスの決済を現在の18%から40%に引き上げる方針を定めました。カードを使わないと損する場面が今後ますます増えていくでしょう」

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