西郷隆盛の新たな肖像画発見 NHKによる仕掛けなのか?
NEWSポストセブン / 2018年1月25日 11時0分

注目が集まる肖像画
東京・上野公園の西郷隆盛像の除幕式で、像を見た隆盛の妻・糸子は「うちの人はこんな人じゃない」と取り乱したとされNHK大河ドラマ『西郷どん』のプロローグもその場面から始まった。
実は西郷隆盛の写真は1枚もなく、生前に描かれた肖像画も残っていない。上野の銅像はイタリア人版画家のエドアルド・キヨッソーネが描いた肖像画をベースにしているが、キヨッソーネは西郷本人と面識はなく、弟の西郷従道や従兄弟の大山巌をモデルにしたといわれる。
そんななか、1月4日の情報番組『ごごナマ』(NHK)で、新たな肖像画が発見されたと報じられた。番組では作品のコピーをスタジオに用意し、船越英一郎が「全国的に初公開です」と言って黒いベールを外し、ドラマで西郷役を演じる鈴木亮平らと盛り上がった。
しかしながらこのタイミングだ。まるで1月7日から放送開始した『西郷どん』に合わせたかのようである。
肖像画は現在、鹿児島市にある「西郷南洲顕彰館」で保管されている(「南洲」は西郷の号)。この肖像画の持ち主である鹿児島県枕崎市在住の丸谷昭子さん(83)が語る。
「小さい頃から、祖父が『これは西郷さんを描いたものだ』と言っていました。家の仏間に飾ってあったんです。昨年秋頃、明治維新150周年や『西郷どん』などで西郷隆盛が話題になっていたため、この肖像画がどういうものか気になり、知人を介して顕彰館にお持ちしたんです」
それが西郷の“実像”を知る「歴史的発見」に繋がるわけだが、丸谷さんはこう続けた。
「私が顕彰館に預けたのは去年の11月末でしたよ」
あれ? 1か月以上前!? それならもっと早く発表されていてもよさそうに思えるのだが……。
◆船越英一郎にも見せない
丸谷さんも気にしていたようで、「すぐ公表されるものと思っていた」と明かす。年をまたいだ“タイムラグ”の理由は何だったのだろうか。顕彰館の徳永和喜・館長はこう説明する。
「うちの館で西郷南洲翁(隆盛)の愛用品展が1月2日から始まるのでそこで公開すると決めていた。12月には新聞やテレビから『先に見せてほしい』と言われましたが全て断わりました。今後、各地の展覧会に出品することも見据え、保険をかけたり、輸送の下準備なども必要です。そうした手続きをしていたのでこの時期になりました。大河に合わせたわけではありません」
先の『ごごナマ』は船越と共に鹿児島でのロケを行なったようだが、現地で船越が肖像画を直に見ることは叶わなかったという。前出の丸谷氏から真贋確認の相談を受けた西郷の遠縁の若松宏氏が語る。
「12月24日に、船越英一郎さんがNHKのスタッフ20人と一緒に来て『なんとか見せてください』とお願いに上がったが、館長はそれでも公開しませんでした」
NHKでさえ1月2日以降でないと取材できなかったということだ。
※週刊ポスト2018年2月2日号
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
インスタで話題、マスクする名画の人物たち。マスク着用の啓蒙効果も
女子SPA! / 2021年1月9日 8時45分
-
イノッチ V6スタンプでメンバーとグループLINE「僕は長野くんのばっかり」
スポニチアネックス / 2021年1月6日 14時49分
-
橋本マナミ「来る役、来る役…」 死体役ばかりだった下積み女優時代
スポニチアネックス / 2021年1月5日 14時56分
-
2021年大河ドラマ「青天を衝け」主人公 渋沢栄一と群雄たちの実像を徹底解説! 『NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 青天を衝け 渋沢栄一とその時代』が発売
PR TIMES / 2021年1月5日 10時45分
-
信玄、貴重な正面肖像画を初公開 1日限定、岐阜の寺で発見
共同通信 / 2020年12月24日 17時3分
ランキング
-
1ガムテープで顔面ぐるぐる巻き、ハンマーで頭部40回殴打……“名古屋闇サイト殺人事件”被害女性が「どうしても守りたかったもの」――2020 BEST5
文春オンライン / 2021年1月16日 6時0分
-
2在日米軍、6施設で接種=新型コロナワクチン
時事通信 / 2021年1月16日 14時53分
-
3菅首相、言い間違え連発で招いた「自滅の刃」 反転攻勢狙った会見やメディア出演が逆効果に
東洋経済オンライン / 2021年1月16日 9時30分
-
4朴槿恵前大統領の実刑確定~なぜ韓国では大統領がまともに引退できないのか
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年1月16日 11時45分
-
5店主「いっそ休業も」、客「仕方なく来た」…宣言対象地域の人出まばら
読売新聞 / 2021年1月16日 11時51分