堀江貴文氏 巨大プロジェクトを仕切るために必要な能力とは
NEWSポストセブン / 2018年3月23日 7時0分

「褒められたい願望」は悪い結果を招く
ビジネスの現場でいちばん厄介なのは、「自分は周りが見えていないと自覚していないヤツ」と語るのは堀江貴文氏だ。「人に頼らず自分で何とかしよう」と意味なく頑張り続け、結果をより悪い方へと導いていく……。なぜそうなってしまうのだろうか。
堀江氏が最新刊『属さない勇気』で解説している、働き方や生き方の未来についての新たな提言を短期集中連載。第5回は、上司と部下、社長と社員の間の人間関係について解説する。
* * *
本人は向上心で頑張っているつもりでも、「褒められたい」などの雑念があると、周りが見えなくなり、高い確率で他人に迷惑をかけることがある。
例えば、大きな予算をかけたプロジェクトを立ち上げた時、現場の仕切りを、モチベーションの高い若い社員に任せることがあるだろう。若手社員は張りきってプロジェクトを進めるが、経験が少ないから、しばしば行き詰まる。
少し経験がある人ならピンとくるだろうが、大きなプロジェクトの仕切りは、数字の計算とか専門知識などの実務力は、それほど問われない。長年の経験で得られる、「どこの誰に話を通すか」「いくらで何を外に任せるか」など、全体を俯瞰でとらえた段取りの勘のようなものの方が重要だ。
すなわち、周りが見えているかどうか。若いうちから、この俯瞰力を持っているヤツは、なかなか少ない。能力が低いのはしょうがないが、落ち着いて周りを見ることができれば、だいたいのトラブルは回避できるのだ。
いちばん厄介なのは、自分は周りが見えていないと自覚していないヤツだ。「人に頼らず自分で何とかしよう」と意味なく頑張り続け、結果をより悪い方へと導いていく。その根っこには、任された仕事をひとりでやり遂げると、褒めてもらえるという思い込みがあるのだろう。
向上心だか何だか知らないが、みんなに迷惑をかけるヤツはいちばんタチが悪い。他人に褒められたくて、プロセスを努力している自分に酔っているだけだ。周りが見えてない、または見ようとしない「褒められたがりくん」は、簡単に相手に利用されるし、騙される。
周りが見えなくなっているから、まずい事態になっても気づかない。チャレンジの意味を勘違いしているのだ。チャレンジ自体に何かの価値があると思い込むのも、間違っている。
そして、彼らを褒める人がいるのも、困りものだ。頑張っているプロセスを、どういうわけか評価したがる。義務教育で刷り込まれた「結果より努力が大事」という精神の、悪い部分だろう。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
なぜ、指導者に「俯瞰力」が必要なのか 為末大「同じ指導も言葉ひとつで結果が変わる」
THE ANSWER / 2021年2月25日 18時0分
-
「RIZIN」皇治、初の書籍発表で島田紳助さんが推薦文 メンタルの鍛え方・独自ビジネス論を公開<凡人の勝算 最後に勝つヤツの思考法>
モデルプレス / 2021年2月18日 22時0分
-
【日本初】No.1になるためのフローハッカー(TM)「Hacking flow training」発売
PR TIMES / 2021年2月15日 18時45分
-
【心理テスト】幸運のタネ 贈る前に気になるのは?
CREA WEB / 2021年2月14日 18時0分
-
あなたの言葉が人に響かないただひとつの理由 無理に誉め言葉をひねり出しても伝わらない
東洋経済オンライン / 2021年2月3日 22時0分
ランキング
-
1潰れかけだった小僧寿しが今、大復活を遂げている真の理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2021年3月5日 6時10分
-
2「ホンダの正念場」次期社長に"生粋のエンジン屋"を選んだ決断の是非
プレジデントオンライン / 2021年3月5日 9時15分
-
3知識なくチャーシュー低温調理「ホントやめて」 食中毒の危険性...ラーメン店主が必死の注意喚起
J-CASTニュース / 2021年3月4日 20時13分
-
4あれさえなければ最高なのになあ。キヤノンEOS R5レビュー
GIZMODO / 2021年3月4日 22時0分
-
5ユニクロとGU、実質9%値下げへ!「消費者としては助かる」「ありがたい」とネット歓喜 「デフレ化が進みそう」の声も
iza(イザ!) / 2021年3月4日 13時16分