「もうひとつの暴力事件」相撲協会と加害力士の「嘘」暴く
NEWSポストセブン / 2018年3月26日 7時0分
◆「初めて聞きました」
だが、直撃取材に対し、Aは問題の存在すら認めなかった。
──危機管理委員会には呼ばれていないのか。
「ないです」
──Bが引退したのは暴力が原因ではない?
「初めて聞きました。なんで辞めたかも全然知らないです」
──初場所直前の暴行が廃業のきっかけではないのか。
「辞めたというのは知っていますが、(暴力というのは)初めて聞きましたね」
──突然いなくなった?
「そうですよ。スカした男でしたから。“なんで逃げたの?”という感じでした」
暴力問題など存在しなかった、危機管理委員会にも呼ばれていない──翌日に協会が発表する内容とは正反対の話をしたのである。
これはA個人の問題ではない。加害者のAが“身に覚えがない”というほど危機管理委員会の調査はぬるく、処分するつもりさえなかったことが窺える。
公表にあたり、春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)はAの処分について「元日馬富士の暴力事件が判明した後も暴力行為を続けていたことを重くみる」と厳罰を匂わせたが、2月初旬、Aはツイッター(現在は削除)に初場所の土俵内容の反省を綴り、地元である大阪場所に向けて、〈応援よろしくお願いします〉と投稿している。すでに暴力問題が協会内部で把握されている時期であるにもかかわらず、Aは“春場所の土俵に問題なく上がれる”と考えていたのだ。
しかも、発表翌日(3月19日)に協会は「示談が成立」という報道発表を「和解が成立」と“修正”している。この不可解な修正の意味は何か。
引退した弟弟子・Bは本誌の取材に対し、こう話している。
「峰崎親方には、本当にお世話になったと思っています。だから、この件について取材は受けられません。ただ、示談書にはハンコは捺していないです。Aから直接、謝罪してもらうのが(示談の)絶対条件ですから。廃業して以降、今に至るまで、Aからは何の連絡もありません」
協会は「現時点での見解は当初の発表の通り」とするのみ。本誌の取材がなければ発表するつもりがなかったのではないか、という問いには答えなかった。
このままでは、角界で何度も同じ問題が繰り返されることになる。
※週刊ポスト2018年4月6日号
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