習近平主席再任を祝う季節はずれの雪 役所の演出だった
NEWSポストセブン / 2018年3月25日 7時0分

季節外れの雪の真相やいかに
中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)は20日、全日程を終えて閉幕したが、習近平国家主席が再選された17日、北京市内には季節外れの雪が降った。この雪は中国の言い伝えでは、吉瑞とされていることから、中国環境保護部の李干傑・部長(閣僚)は「今朝、習近平主席が国家主席と中央軍事委主席に再選された。この雪はそれを寿ぐものであり、習主席は我々のリーダーとして、我々のゴールや夢をかなえてくれるに違いない」と全人代の場でぶち上げていたことが分かった。
ところが、この雪は環境保護部が北京近郊の北方の大黒山の頂上に設置している人工降雪機によって降らされたものであることが判明。習氏にゴマをするための演出であったことが分かったことから、ネット上では「全人代も初めから結末が分かっている出来レース。この吉瑞の雪も周到に準備された偽物だったのだ」との批判が書き込まれている。
中国メディアによると、北京では昨年10月23日以来、雨が降っておらず、3月17日早朝の雨は145日ぶりとなった。雨は午前中には雪に変わった。
中国ではめでたいことがあると、天がそれを祝福するため雪を降らせるという言い伝えがある。この日はわずかの1センチにも満たないほどの積雪だったが、早速、国営新華社通信や人民日報、党機関紙「人民日報」は速報で、「季節外れの吉瑞の雪」と報じた。まさに、主席らの当選を寿ぐための報道である。
ところが、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が同部職員を取材したところによると、これは同部が北京近郊の大黒山に設置した人工降雪機を用いて降らせた雪だったという。
この職員は「この日は上司から、雨になったら、人工降雪機を作動して、冷気を吹き込み、雪にするように、との指示を受けていた」と明らかにした。
同部幹部はこの日、雨が降ると、「良いことも悪いことも、すべて水に流される」という言い伝えがあることから、雨の場合は人工降雪機によって冷気を循環させて、吉瑞である雪に変えようと計画。案の定、その日は朝から雨だったことから、急いで人工降雪機を作動させたというのだ。
習氏の再選は天が寿いだのではなく、ゴマすりの部下が寿いのだ。日本の今流でいうと、同省は習氏の気持ちを「忖度した」とでもいえそうだ。
ところで、「(この日)習主席が再選されたことを知っていたか」との同紙に質問に、職員は「いいえ、昨日の夜から気象観測に忙しくて、ニュースはみていない」と答えたという。末端の職員は何も知らされずに、あくせく働き、良いところはすべて上が取ってしまうという典型的な中国官僚の習性ともいえるだろう。
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