急成長「ストロング系酎ハイ」の人気が過熱する3つの理由
NEWSポストセブン / 2018年4月9日 11時0分

各社がしのぎを削っている
試しに買ってみた「ストロング系酎ハイ」をプシュッと開けて飲んでみると、強炭酸に強アルコールがグッと来て、飲み切る頃にはほどよく酔いが回ってきた。今まではロング缶を2本買わないと飲み足りなかったが、これなら1本で済みそうだ──。
初体験の記者の感想だが、この“ストロング系”が、売り上げを急激に伸ばしている。酒造業界に詳しいジャーナリストの永井隆氏は、その急成長ぶりをこう語る。
「ストロング系酎ハイは、『割らずにすぐ飲める』を意味するRTD(レディー・トゥー・ドリンク)カテゴリーに入る商品で、RTDの市場規模は2015年から3年連続で10%以上の拡大を続けています。ビール類の出荷量が13年連続で史上最低を更新するなかで、RTDは酒類として最も伸び率が高い。なかでもストロング系酎ハイ市場は2010年から2017年までに2.5倍に拡大。酒類ではほぼ唯一ともいえる販売増が見込めるジャンルなので、各社が鎬を削る状況になっています」
最初に商品名に“ストロング”を冠したのはキリンだった。2008年に「キリン 氷結ストロング」の販売を開始。アルコール分8%と缶ビールよりも濃いのに、値段は安いとあって、それまで“缶酎ハイは女性やお酒の初心者向け”と敬遠していた40~60代の男性たちからも強い支持を得た。
その成功に着目したのがサントリーで、2009年2月にアルコール分8%の「マイナス196℃ストロングゼロ」シリーズを発売。2013年には甘さを抑えた「ストロングゼロ〈DRY〉」を、2016年に果実の苦味が特徴の「ストロングゼロ〈ビター〉」シリーズを追加した。後発ながらストロング市場の最大のヒット商品となる。
「『ストロングゼロ』シリーズの2017年の販売実績は3536万ケース(250ml×24本換算)です」(サントリーホールディングス広報部)と高アルコール市場の販売実績では首位を独走している。
いまや、ビール大手にとって、ストロング系酎ハイはビールより期待できる売れ筋商品となっている。
後を追うアサヒも、2016年に販売開始したアルコール分9%の主力商品「アサヒもぎたて」シリーズが2017年の販売実績で前年比32%増(934万ケース)となった。今年4月3日には香味バランスを見直し、パッケージを刷新するなどの「クオリティアップ」を敢行。さらなる販売拡大を目指している。
サッポロも、2015年と2016年に期間限定で販売していたアルコール分9%の「サッポロ 超男梅サワー」を2017年に通年販売に切り替えた。この4月3日からは、同8%の「サッポロ りらくす」を発売し、本格的に“ストロング系酎ハイ”に参入した。
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