糖尿病や認知症予防の“かかと落とし” 早めの開始を推奨

NEWSポストセブン / 2018年4月10日 7時0分

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かかと落としは簡単にできる

 糖尿病の予防・改善、認知症や動脈硬化の予防効果が期待できる「かかと落とし」という運動が注目を集めている。福岡歯科大学客員教授で、『“骨ホルモン”で健康寿命を延ばす! 1日1分「かかと落とし」健康法』(カンゼン刊)の著者・平田雅人氏が解説する。

「かかと落としは、背すじを伸ばしてつま先立ちになり、両脚のかかとを上げ下げする運動法です。かかとを地面につけるときに、自分の体重をかかとに伝え、“骨を刺激する”ことを意識して、1日30回繰り返します。手軽で簡単にできる運動ですが、これによって『糖尿病』の予防・改善、『認知症』や『動脈硬化』の予防効果が期待できるのです」

 かかと落とし運動によって、「高血圧」の予防効果が期待できる──そのことが分かってきたのは、高血圧を引き起こす一因となる「ゴースト血管」という概念の存在が、最近の研究で明らかになってきたからだ。

 ゴースト血管とは、全身の細胞に酸素や栄養を行き渡らせる毛細血管に、様々な要因で血液が流れなくなった結果、毛細血管が無機能化したり、消失してしまう状態のことを指す。毛細血管が、まるで幽霊のように消えてしまうことから、そう名付けられた。

 この概念は、4月1日に放送されたNHKスペシャル『“ゴースト血管”が危ない~美と長寿のカギ 毛細血管~』でも取り上げられ、話題を呼んでいる。

 注目すべきは、ゴースト血管が認知症や骨粗鬆症といった加齢に伴ってリスクが増す疾患の要因にもなり得るという点だろう。

 正常な毛細血管は、壁細胞(外側)と内皮細胞(内側)の2重構造で安定を保っている。そのなかで重要な役割を果たしているのが、壁細胞から分泌される「アンジオポエチン-1」という物質である。この物質が内皮細胞どうしを強く接着させることで、毛細血管は強さを保てるのだ。NHKの番組にも出演した大阪大学微生物病研究所教授の高倉伸幸氏が解説する。

「しかし、『アンジオポエチン-1』は加齢とともに分泌が減少していくことが分かっています。その結果、内皮細胞どうしのゆるみと壁細胞の分離が生じ、毛細血管から酸素や栄養分が過剰に漏れ出してしまう。そうすると、毛細血管の維持に必要な酸素や栄養分が確保できなくなり、血管が次第にボロボロになって、最終的には消失。つまり、ゴースト血管になってしまうと考えられています」(同前)

 これに伴い、ゴースト血管の周辺の細胞には、通常は血管を通して運ばれてくる酸素や栄養分が行き渡らなくなる。そのため、供給を失った周辺の細胞が壊死。それらの細胞で構成される臓器がダメージを受けることで、様々な重篤な疾患につながってしまうのだ。高倉氏が続ける。

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