「パートのおばちゃん」の存在が新人育成に効果的な理由

NEWSポストセブン / 2018年4月23日 7時0分

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パート従業員の存在がネコ型新人の本領発揮につながる

 自由奔放で自発的に行動できる人を“ネコ型”と呼び、これからの時代に必要な人材だと説くのは、『「ネコ型」人間の時代──直感こそAIに勝る』(平凡社新書)を上梓した同志社大学政策学部教授の太田肇氏。しかし、いくら職場にネコ型の逸材が入社してきても、すぐに辞められてしまっては意味がない。では、どんな組織がネコ型人間を活かすのか。

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 本格的なAI時代に突入するこれからは、従順で礼儀正しいが受け身の「イヌ型」人間ではなく、マイペースだが直感や感性に優れ、自分で考えて行動する「ネコ型」人間こそ活躍できると拙著にも書いた。

 ところが現場で話を聞くと、せっかく「ネコ型」の新人が入社してきても、すぐ辞めてしまう。残った彼らも1年もたつと周りに適応し、すっかり「イヌ型」に変わってしまう。いずれにしても「ネコ型」の本領が発揮されないわけだ。その原因がどこにあるかを考えてみよう。

 以前は新人が職場に入ってくると、上司や先輩が厳しく指導したり叱ったりしながら、社会人としての心構え、振る舞い方をたたき込んだものだ。しかし、いまではそんなことをしたらネット上に「ブラック企業」と書き込まれるか、へたをするとパワハラで訴えられかねない。

 そのためどこの会社でも新人に対し、まるで腫れ物に触るように気を遣っている。優しくていねいに指導し、一人ひとりにメンター(指導役の先輩)をつけるなど至れり尽くせりだ。

 にもかかわらず、新人の早期離職が後を絶たない。そのため上司も先輩たちも、どう接していいのかわからず悩んでいるのが現状である。

 気づいてほしいのは、相手に対しよかれと思っている接し方、扱い方が実は逆効果になっている場合が少なくないということだ。

 象徴的な例をあげよう。日本企業でも以前から社員の自発性、主体性が大切だという認識は持っている。そして「自立型人材」「自走社員」の育成をテーマに掲げてきた。ところが、それを実践に移す段階になると、理念とまったく逆のことをやっているケースが少なくない。

 たとえば「自立型社員の育成」を看板に掲げた研修では、自立型社員になるための課題をたくさん与え、仕事のノウハウを教え込む。そして職場では自立的に行動できているかどうかが上司によってチェックされ、人事評価の対象となる。

 これではいっそう受動的になるばかりで、とても自立的な社員は育たない。つまり、目指す人材像が「ネコ型」であっても、やっていることは「イヌ扱い」なのである。それは長年の工業社会で染みついた模範的な社員像、模範的な指導法が頭のなか、組織のなかに染みついているからだ。

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