女子高生の妊娠が生む貧困、学校は自主退学を止めるべき

NEWSポストセブン / 2018年4月23日 16時0分

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女子高生の妊娠、自主退学が貧困を生む(写真/アフロ)

 3月30日、文部科学省はこれまでにない実態調査を発表した。女子高校生の妊娠についての『妊娠した高校生の在籍状況2015~2016年度』調査を公表したのだ。全国の公立高校(3571校)が把握している妊娠は2098件。うち3割(674件)が自主退学していた。しかも自主退学の中には学校の勧めによるものが32件あったという。

 妊娠した女子高生の在籍状況は、「産前産後を除き通学継続」したのは、37.1%。「本人・保護者の意思で自主退学」が、30.6%。「妊娠・育児を含めた休学」は、9.0%。「転学」が8.5%。そして、「学校の勧めによる自主退学」が、1.5%いた。

 そもそもこの妊娠退学問題は、日本の性教育の遅れが招いているという声もある。国際政治学者の三浦瑠麗さんは言う。

「この調査は、妊娠をした後に“産む”と判断した人の数字でしかありません。その前段階で、ひそかに中絶している人も多いはず。日本では中絶が合法ですが、それ以前の問題として当たり前の避妊策が普及していません。そのため、中絶数は3900万件(1924~2015年)と世界で5位という多さです」

 中絶率の高さは、すなわち避妊教育の未熟さを裏づけている。ユネスコのガイダンスでは、コンドームなしの性交のリスクを教える必要性は小学生からということが推奨されている。だが、日本では、小中高校いずれも性交について教えてもいない。

「性交しないことを前提としているため、確実な避妊方法を教育するまでに至っていません。結果、男性が女性を妊娠に追い込んでしまうことのリスクも自覚していません」(三浦さん)

 高校生の妊娠が世間から批判を浴びる日本で、今から40年ほど前、15才の中学生が妊娠・出産するセンセーショナルなドラマが放映された。『3年B組金八先生』(1979年、TBS系)だ。

 宮沢保(鶴見辰吾)との間に子供ができた浅井雪乃(杉田かおる)は、親から見捨てられるなか、学校に踏みとどまり、教師やクラスメートの理解を得ていく。そこで金八(武田鉄矢)は、生徒たちに愛の授業、いわゆる性教育を行うのだった。同作品の脚本家である小山内美江子さんは当時を回顧する。

「この話は決して中学3年生で子供を産んでいいよというメッセージではありません。学生が性行為に及ぶということはこういうことなんだよということを伝えたかったんです。中学での出産は早すぎる、だけど彼らの“身ごもった命を大事にしたい”という考えに文句は言えるのだろうか、と。そして性をきちんと学ぶことの大切さを知ってほしかったのです」

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