JR東海の次世代新幹線N700S、利用者に嬉しい改善点
NEWSポストセブン / 2018年4月24日 11時0分

JR東海のN700S系1号車
N700Sは、JR東海が次世代の標準型新幹線として開発を進めている高速列車だ。称号の「S」は「最高」を意味する「Supreme」の頭文字。外観は現行のN700Aに似ているが、細かな点で差異がある。
先端の形状は、走行風を円滑に後方へと流すため、左右のエッジを立てた「デュアル・スプリーム・ウィング形」を採用した。ヘッドライトは夜間の視認性向上のため大型化し、省エネタイプのLEDを取り付けた。車体の色は伝統の白地に青帯を踏襲しているが、先頭部の帯は「S」をデザインしたものに変わった。
利用者目線での嬉しい改善点は、まず普通席の座席肘掛け全てにコンセントが完備されたこと。これまではパソコンや携帯電話などの電源を確保するために、窓側や最前列を指定していたビジネス客の利便性が高まった。リクライニングシートも新開発の機構を採用し、より快適な座り心地となった。
車内の明かりにはLED間接照明を取りつけ、停車駅到着前には明るさを変えて荷棚の荷物忘れを注意喚起する。この他、車内空調の改善やフルカラー液晶による見やすい車内案内表示も新登場となる。
新たに開発された駆動システムによって、車内の乗り心地も大幅に変わる。小型軽量化した新型6極駆動モーターを搭載した高性能な台車により「低騒音化」を実現。フルアクティブ制振制御装置で車体の揺れを抑えている。
安全対策面では、地震時の緊急ブレーキ性能が向上。加えて駆動システムの小型化によってバッテリー(小型・大容量のリチウムイオンバッテリー)を搭載できるようになり、長時間の停電時にも安全な場所に列車を自力走行できるうえ、これまで停電時には使用できなかったトイレも使えるようになった(東海道新幹線のトイレの“流す”機能には電気が必要なため)。今後、N700S系列の車両で統一されれば、異常時のダイヤ回復も容易となり、利用者にとっては大きな安心感も生まれる。
N700Sは2020年度の営業運転開始を目指す。1964年、東京五輪の時に「0系」が走ったように、再び東京五輪の年に“夢の超特急”が走り始める。
取材・文■白川淳
※週刊ポスト2018年5月4・11日号
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