震度6強で倒壊危機 仙台の有名建築物と今後の計画・対応
NEWSポストセブン / 2018年4月27日 16時0分

1964年竣工の緑水亭
今年3月に東京都が公表した大規模建築物の「耐震診断結果」は、多くの人々に衝撃を与えた。「震度6強以上で倒壊、崩壊する危険性が高い」と判断された建物に、有名な商業施設や大病院が多数含まれていたからだ。
この「耐震診断結果」は他の自治体も公表しているが、東京都のように倒壊・崩壊の危険性がある建物を「Is」値(壁構造や柱の強度、経年変化も考慮した診断結果)など各種指標を用いて3段階に分類するような結果にはなっておらず、一般の人には「その建物がどの程度危険なのか」を判断することは困難だ。
そこで本誌・週刊ポストは一級建築士らの協力を得て、建築物のすべて、または一部が「震度6強以上で倒壊、崩壊の危険性が高い(I)」と判断された建物(幼稚園、学校、住宅、工場等を除く)のうち、Is値が低いものをリストアップした。
ちなみに、Is値は数値が高いほど“頑丈”とされ、「0.6以上」なら倒壊・崩壊の「危険性が低い(III)」、「0.3~0.6未満」は「危険性がある(II)」、「0.3未満」は「危険性が高い(I)」と判断される。
Is値の低かった全国の建物の中から、仙台市(宮城県)の有名建物を徹底調査。今後の対応策も含めた各施設の声を紹介する。
●作並温泉ゆづくしSalon一の坊(1964年~)
●緑水亭(1964年~)
※( )内は竣工年。
仙台市では、温泉旅館2軒のみが(I)に該当した。他の都市に比べて件数が少ないのは、東日本大震災をきっかけに耐震化が進んだことが理由の一つと推測される。だが、施設の悩みは深い。
「耐震改修計画は完了していますが、工事期間中は休館することになるので、現在、実施時期を検討中です」(作並温泉ゆづくしSalon一の坊)
「診断結果を受けて補修の必要性が明確になり、公表前に計画を練り始めました。しかし金額が金額なので、単年では厳しいのが現状。複数年を視野に、どのように耐震化を進めていくか、仙台市と打ち合わせていく予定です」(緑水亭・総務課)
大規模改修となれば、予算がかさむうえ、その間の客足も止まるだけに、難しい対応を迫られている。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号
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