北朝鮮女性「金正恩は何かの病気」「あまりに沢山騙された」

NEWSポストセブン / 2018年5月17日 7時0分

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金正恩の声明を聞く平壌市民 AFP/AFLO

 トップ会談によって、朝鮮半島はどう動くのか。武力衝突か、緊張緩和か。中朝国境では中国の基地局の電波が北朝鮮の領土まで及ぶ。国境近くに住む北朝鮮住民の中には中国人と商売をするため中国の携帯電話を持つ人がいる。韓国人ジャーナリストの朴承ミン氏が、3月から4月にかけ、そんな北朝鮮住民を探し直接電話をかけて生の声を聞いた。名前は全て仮名にした。

●ベ・ソンヒ(女性・61歳・漁業)の話

──仕事は?

「夫が海で魚を取って生活している。収入は月に、中国の貨幣で1500人民元(2万6000円)程度。稼いでも出て行くお金のほうが多い。海に出られないよう統制されるから、お金を国境警備隊と警戒所の警備兵、担当の保安員(警察)、保衛部に賄賂として捧げなければならない」

──金正恩をどう思うか。

「(金正恩が)先日中国に行って来たが、それは百姓(庶民)のために行ったのではなく、何かの思惑があって時間稼ぎのためにそうしたか、自分の生きる穴を探しているか、だと思う」

──でっぷり太った金正恩をどう思うか。

「何かの病気があるようだ。顔も赤くて、もう長くはないようだ。夫人の李雪主も顔が腫れた。金与正も顔色が良くない。そんなに長く生きられないようだ」

 本当にそう見えたのか、希望を込めた話なのか。内心では最高指導部の排除を願っている住民は相当な数ではないか。

●イム・ジョンへ(女性・56歳・販売)の話

──仕事は?

「ジャンマダン(市場)で米や中国の商品、水産物、工業品などを売っている。米の販売収入はひと月に15万ウォン(約2250円)くらい。今日(4月上旬)の米の値段は1kg5200ウォン(78円)だった」

──金正恩委員長は国政運営をよくやっていると思うか。

「何が上手ですか? まったく何!(金委員長が)中国に行って来て、(北の)人々は中国のように開放するのか、何か少し変化があるのではと期待している。しかし、私は信じない。あまりにも沢山騙されて……。中国に住む親戚を訪ねてきた町の人が、『中国で報道をみると、いま我が朝鮮は間違っているようだ』と言っていた。狂ったように核開発だけ続けないで、配給でも与え、ジャンマダンを統制しないでくれれば人々の暮らしが少しはよくなるだろうが」

──日本のイメージは?

「36年間、強制占領した不倶戴天の敵、国際大会に出れば、日本には必ず勝たなければならない。そんなところだ」

●パク・スンミン/時事通信の元ソウル支局記者。長年、北朝鮮問題と韓国政治を取材。その間に平壌と開城工業団地、金剛山など北朝鮮の現地を5回ほど訪問取材。現在、韓国と日本のメディアに寄稿している。

※SAPIO2018年5・6月号

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