明治維新の肉食ブームから150年、日本の肉はようやく「文化」へ
NEWSポストセブン / 2018年5月6日 16時0分

とんかつの地位も上がった(写真:アフロ)
日本人の食卓における「肉」の存在感は大きくなり続けている。牛、豚、鶏、それぞれに名店も増えた。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。
* * *
国内における「肉ブーム」が新しい展開を見せている。これまで焼肉、ステーキ、かたまり肉など業態や提供方法に違いこそあれど、国内の「肉食」は「牛食」とほぼイコールで結ばれてきた。このGWにも全国で数々の肉関連のフェスが行われている。
もっともこの数年、国内の肉食文化にわずかながら変化の兆しが見えている。まず目に見える変化としては畜種の変化だ。それまでの「牛」一辺倒から、この数年明らかに「鶏」「豚」シフトが進んでいる。2015年に「第3次」と言われから揚げブームが起き、翌2016年には大手飲食チェーンが次々に焼鳥業態へと滲出した。ワタミグループによる「三代目 鳥メロ」はわずか2年弱で120店超の出店ペースで急拡大。モンテローザの「豊後高田どり酒場」やダイニングイノベーションの「やきとり家 すみれ」なども短期間でそれぞれ数十店規模で出店が進んでいる。
チェーン業態だけでない。ミシュランで毎年紹介される銀座の焼鳥店は海外の客も含めて、連日満員。その他の実力店には、予約数か月待ちという店もある。そうした名店からの独立も含めて、新店も続々とオープンしているのが焼鳥界なのだ。
他の業態でも、丸鶏を専用オーブンで焼くロティサリー専門店も目につくようになった。この流れは、家庭にも流入しつつあり、昨年、大手家電パナソニックからは家庭用のロティサリーグリルが発売された。超一流店からチェーン店、そして家庭までさまざまな場面で鶏肉の存在感が増している。
では、豚は鶏の後塵を拝しているのかというと、豚肉もかつてないほど注目されるようになった。象徴的な例が「とんかつ」だ。これまでごく一部の実力店で提供されていた、技術を要するようなハイレベルなとんかつを提供する店が増えたのだ。極厚の肉にじんわり火を通し、内部を絶妙のロゼ色に仕上げる店には長蛇の列ができるようになった。
その他、豚肉の塊肉やTボーンステーキなどを出す都心の豚肉料理店も連日にぎわい、豚肉を使った「火鍋」専門店も人気を博している。
東京ばかりではない。地方でハムやソーセージなど自家製の豚肉加工品を扱う専門店が「お取り寄せ」などの切り口でメディアに取り上げられることも増えた。高い技術を持つ職人も増え、全体のレベルも上がった。それはとりもなおさず、うまい加工品に巡り会える機会が増えたということでもある。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
肉好き必見のイベント「かみしめて、肉 2021~部位で愛して~」が伊勢丹新宿店で開催
IGNITE / 2021年2月17日 10時30分
-
1万円の寄付で8キロ届く!ふるさと納税「肉」のコスパランキングを発表【2021年2月】
@Press / 2021年2月14日 8時30分
-
肉好きには見逃せない魅力満載の七日間。伊勢丹新宿店で「かみしめて、肉 2021~部位で愛して~」を開催
FASHION HEADLINE / 2021年2月13日 11時0分
-
肉まんと豚まんの違いは?地方によって呼び方が違う?
ハルメクWEB / 2021年2月11日 20時30分
-
《肉食たちの心を躍らせる》イベント「かみしめて、肉 2021~部位で愛して~」が伊勢丹新宿店で《2月17日(水)~23日(火)》に開催
PR TIMES / 2021年2月10日 20時15分
ランキング
-
1自主ではなく「官房機密費」で返納? 渦中の山田真貴子内閣広報官に怨嗟の声
日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年2月26日 9時26分
-
2UberEatsのバッグを開けてみると… 予想外すぎる中身に「その手があったか!」
しらべぇ / 2021年2月26日 5時45分
-
3日本が開発中の戦闘機用エンジン「XF9-1」が気になる中国
サーチナ / 2021年2月25日 10時12分
-
4「最低1日3個」コレステロールを気にせず卵をどんどん食べるべき理由
プレジデントオンライン / 2021年2月24日 11時15分
-
5カルディや無印良品で買える、自炊の救世主5選。毎日の食事を考える手間を減らします
roomie / 2021年2月26日 15時0分