大阪の活断層の脅威 新大阪駅、通天閣、道頓堀の真下にも

NEWSポストセブン / 2018年6月26日 7時0分

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大阪の活断層

 今回の大阪北部地震は、大都市の地下に存在する「活断層」の脅威を、改めて認識させた。地中の岩盤が割れ、ずれが生じた場所が「断層」であり、そのうち、今後もずれ動いて地震の発生源となり得ると考えられているものが「活断層」と呼ばれる。東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)が説明する。

「6月18日に起きた大阪北部地震は、発生に至るメカニズムが複雑とみられているため現時点で断定はできませんが、活断層が原因の地震の可能性が高いと考えられています」

 掲載した地図では、大阪北部地震の震源地とその周辺の活断層の位置を示した。一見、震源と活断層は離れた場所にあるように見えるが、渡辺氏はこう説明を続ける。

「断層は地下に向かって垂直に延びているとは限りません。今回の震源の近くには、大阪・高槻市から兵庫・神戸市北区に至る『有馬―高槻断層帯』(全長約55km)と、大阪の東部の枚方市から羽曳野市を南北に走る『生駒断層』(全長約38km)という2つの大規模な活断層が走っています。特に『有馬―高槻断層帯』の動きが原因となって、今回の地震が起きたと疑われています」

 M(マグニチュード)6.1の大阪北部地震による死者は5人、負傷者は300人を超えた(21日時点)。とくに被害の大きかった大阪府茨木市や高槻市では、寸断されたライフラインの復旧作業に加え、大雨による二次被害への対策に追われている。

 また、地震発生直後から大阪市内の鉄道会社はすべて運転中止を迫られた。主要な街道は会社や自宅へ向かう人の波で埋め尽くされ、大都市の地震への脆弱性を改めて見せつけられた。

 加えて、活断層地震には、一つの地震がさらに大きな揺れを誘発するリスクが存在する。

 2016年に50人の死者を出した熊本地震がその一例だ。同年4月14日、熊本県益城町から八代海に延びる「日奈久断層」を震源とするM6.5の地震が発生。その揺れが近くを走る「布田川断層」に影響を及ぼし、同16日、同断層を震源とするさらに巨大なM7.3の“本震”が発生したという説がある。

 今回の大阪北部地震の直後にも、政府の地震調査委員会が会見で「さらなる大きな地震が起きる可能性もある」と警告を発している。震源の周囲にある活断層で、多くの専門家が「未曾有の大災害を引き起こしかねない」と警戒するのが「上町断層帯」だ。

 地図を見てもわかるように、全長約42kmに及ぶ上町断層帯は、豊中市から大阪市のまさに中心部を南北に横切り、堺市から岸和田市に至る。その真上には新大阪駅や通天閣、道頓堀が位置し、梅田や難波、天王寺といった関西圏でも有数の繁華街のすぐ側を走っているのだ。

「こうした都心部の真下を走る活断層での地震は、震源が10km台と浅いため、地震波が減衰しないまま地表に到達して、甚大な被害につながることが懸念されます。地震の発生から揺れに襲われるまでの時間も短く、地震速報が役に立ちにくいという特性もあるだけに、被害が拡大しやすいのです」(島村英紀・武蔵野学院大学特任教授)

※週刊ポスト2018年7月6日号

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