文部官僚「裏口入学」事件 あの学園を連想させる構造的問題

NEWSポストセブン / 2018年7月24日 16時0分

◆きっかけは政府の方針

「大学のブランド事業といえば、近大マグロなどが思い浮かぶでしょうが、他の大学にはあそこまでの発信力がありません。だから文科省に自分たちの研究テーマが採択されたとなれば、キャッチーな宣伝文句になり得る。決して技術そのものにお墨付きを与えるわけではなく、研究体制が整っているという意味で採択するのですが、事業に選定されれば、うちの大学はこういう研究テーマに取り組んでいるとPRしやすくなると思います。学校の看板として掲げる意味があるので、多くの大学に応募いただいたのでしょう」

 補助金を出す文科省高等教育局視学官の児玉大輔(私学部私学助成課長補佐)はこう話した。文科省のお墨付きを得るため、各私大は鎬を削っている。原則として1大学1つの研究テーマを掲げ、私学助成課に応募する仕組みだ。そんな文科省のブランド事業の出発点は、安倍政権の大学改革政策だという。

「きっかけは平成27(2015)年6月の閣議決定『まち・ひと・しごと創生基本方針2016』で、地方創生のために研究イノベーションを大学改革に活かすべきだという方針が示されました。と同時に、『科学技術イノベーション総合戦略2015』を閣議決定し、イノベーションの環境整備として大学改革をやろうとなった。そういった政府の方針を踏まえ、文科省で事業を立案したのです」(同前・児玉)

 折しも問題になった国家戦略特区制度による獣医学部の新設は、この文科省の補助金事業が立案されていった2015年から、その動きが加速する。理事長の加計孝太郎をはじめ、愛媛県や今治市が獣医学部新設のため、官邸や政府に働きかけていった時期だ。獣医学部計画を巡る2015年の動きを改めて振り返ると、次のようになる。

 愛媛県文書によれば、2月25日、加計孝太郎理事長と安倍首相が面談。首相より「獣医学部いいね」発言あり(官邸、加計学園ともに面談の事実を否定)。

 3月24日、加計学園側が首相官邸を訪問。柳瀬唯夫秘書官と面談。「内閣府の藤原豊地方創生推進室次長に相談されたい」と促した。

 4月2日、同様に官邸訪問。愛媛県文書により「これは首相案件」というやり取りが判明。同日3時35分から57分まで下村文科大臣が官邸にて首相と会談。

 4月7日、加計学園の花見に安倍首相参加。加計理事長と面談。

 6月、今治市が国家戦略特区申請。「日本再興戦略2015版」により文科省が獣医学部新設の規制を見直す4条件を閣議決定。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング