日本人はドーナツに飽きたのか コンビニ失敗、専門店も不振

NEWSポストセブン / 2018年8月11日 7時0分

 ドーナツ専門店として、もうひとつ気になるのが、アメリカから2006年に日本に上陸したクリスピー・クリーム・ドーナツの動向だ。

 上陸後、常に行列のできドーナツ店として話題になり、日本中に店舗を広げていったが、近年は撤退する店も増えた。事実、2016年には戦略の見直しと称して店舗を大量に閉鎖、そして店舗改装を実施している。

 店舗を訪れてみると、家族の構成人数が少ない日本で12個入りダズンボックスで販売していたり、数多く購入しないとおトクにならない価格設定があったりと、上陸当時はもてはやされた新奇性も武器にはならなかったというわけだ。

 味も日本人には甘すぎる。同社のドーナツを食して、改めて日本人はドーナツに繊細な味わいを求めていることに気づかされた。

 いずれにせよ、コンビニ売り場の縮小、ミスドの不振などを見る限り、ドーナツという商品の魅力は次第に薄れていることがうかがえる。健康志向の高まりにより、敬遠されがちな間食の代表になってしまった感もある。

 だが、このまま日本人の消費者に完全に飽きられてしまうのかといえば、そんなことはないだろう。子供のおやつの定番、小腹が空いたときの“鉄板スイーツ”として長年好まれてきた歴史もある。

 ドーナツは五感を刺激する素敵な食べ物である、と私は感じる。まず形や色合いを目で楽しみ、においを感じる。そして、口当たり、噛むときの音、日本人の繊細さにとても合う食べ物のひとつだ。

 そもそも、ドーナツには出来立てのよさと、時間経過のよさの2つのよさがある。

 揚げ物の一種であるがゆえに揚げたてが美味しいのはいうまでもないが、一方で時間が経過してから旨い状態になる商品も存在する。カリカリの外側が多少水分を吸収し柔らかさが増し、しっとり感が強調される時間帯。例えば焼きたてのさっくりした食感のカステラと日にちをおいて蜜が全体に染み渡ったカステラの違いを思い浮かべると分かりやすいのではないだろうか。

 そういう意味では、店舗でひとつひとつ手作りされ、出来たてを提供しているミスドのドーナツ。そして、時間がたっても熟成(食べ頃)の時間帯に食べてもらうスタイルのコンビニドーナツは十分に棲み分けができる。その他、カロリー控えめの商品や原材料を変えた新商品など、新感覚ドーナツを提供することも可能だろう。

 今後、再びドーナツが魅力的な「定番おやつ」としてクローズアップされる日が来るか。各社の商品展開に注目したい。

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